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第六話 咀嚼と反芻
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ベネズエラの首都カラカスから9時間ほどバスで走るとllano(ジャノ)と呼ばれる平野が広がっています。照りつける太陽の下、ブラーマンと呼ばれる白いこぶつき牛がのったり歩き、木陰で涼しい顔をして休んでいる、そんな風景が毎日広がっているBarinas(バリーナス)に来て1年半が過ぎました。 |

(ジャノの夕暮れ) |
私の配属先はバリーナス州ペドラサにある農業経営を学ぶ農業短大で、アジア・中南米・カリブ海諸国からの留学生を含め150人の若者が生活を共にし、勉学に励んでいます。
そこでの私の活動は主に3つあります。
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毎朝の農業実習の補助、農園管理(野菜)
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学生との学校周辺地域へのボランティア活動
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配属先、村での日本語教室
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(ミミズ堆肥の収穫) |
1.毎朝の農業実習の補助、農園管理(野菜)
学生の大半は入学前の農業従事経験が全くなく、実際の労働を理解するという目的で、農業実習の時間があります。ベネズエラに来たものの、私が教える学生はいずれいろんな国に帰る留学生もいるので、具体的な栽培方法だけでなく、何か国に持って帰れるものも教えたいと思いミミズ堆肥を活動の中心にしています。日本で作られている堆肥も作ってみたのですが、炎天下での切り返し作業は体力的にきびしく、堆肥効果は高いのですが受け入れられませんでした。
それでも配属先から有機農法を教えて欲しいとの要望があり、圃場に捨てられたようなミミズ堆肥を作る場所があるのに目をつけ、ミミズ堆肥の勉強を始めました。スペイン語を訳すところから始めたのでとても時間がかかりましたが、自分で勉強しミミズ堆肥を試行錯誤で作り始めるにつれ、これはお金をかけず、質がよく、日陰で、あまり人間が働かなくてもいい!ことがわかりました。実際興味をしめす学生がほとんどで、初めは食べ物がなくてやせ細っていたミミズが太りだし、卵をうじゃうじゃ産むほどになると、皆歓声を上げて夢中(?)になります。自分の国で、出身地で拡げたいと学生が卒論のテーマに選んでいるので、今後はさらに質のよいものを学生と作ってゆくつもりです。
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(子供達に作り方を説明する学生達)

(ハイビスカス液と紙を混ぜたものを型に流す作業)

(自分の作ったカードを手にする6年生の子供達)
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2.学生との学校周辺地域へのボランティア活動 配属先には学校で学んだことを学校周辺地域に還元する学生のボランティア活動の時間があり、私が受け持っているのは「有機農業とリサイクル」という活動です。 学生と共に小学校を訪れ、、子どもたちと一緒にミミズ堆肥をつくって学校菜園に利用してもらったり、先日は、リサイクルペーパーの作り方を教えに行きました。学生の自主性を延ばすのが活動の目的なので、私が初めに学生に教え、それから小学校で学生が主となって子供達に教えます。この地域にふんだんに茂っているハイビスカスの葉から紙どうしをくっつける成分がとれるので材料を買う必要はありません。子供たちは出来上がったリサイクルペーパーからかわいいカードができることにCalidad,Calidad(いいね、いいね)とつぶやきながら雑誌の写真を切り抜いたり、折り紙で作った花を付けたりして、とても楽しんで思い思いのカードを作りました。 ベネズエラの人にこの「Calidad」 を言ってもらえるのは手ごたえありの証拠のような気がして、それを聞くとまた頑張ろう・・・という気持ちになります。 |
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3.配属先、村での日本語教室
いつも終わった後に「あぁ楽しかった…」と思わせてくれるのが日本語教室です。配属先に着いた頃から 日本語を教えて欲しいという声が多くありました。日本語には3種類の文字があり、漢字は2千字位あるんだよというと、ナグアラ!とベネズエラ独特の表現でびっくりします。
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(日本語テストに四苦八苦!)
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そして、やはり皆の心を掴むのがサムライなのです。偉大なスピリットを持ったサムライ。そこから日本という国にも精神的な魅力を感じるようです。初めは配属先で、夜間に学生・先生・村人に教えていたのですが、夜間交通の便が悪いので、村での教室も新たに始めました。
始めたばかりの頃は、日本語を教えた事のない自分にびくびくしていましたが、テキストを自分で作ってそれをみんなが理解し、会話が出来るようになったことでちょっとずつこれでいいのかなと安心感が生まれてきました。いつも笑いに溢れる時間で、いい雰囲気で進んでいます。語学の学習という点で、私にも見落とせないのが「復習する人は伸びる」という事実。教える側に立ってヒジョーに実感しています。
○咀嚼していることを反芻する
ベネズエラに来て1年半。今、やかんをのせたら一瞬で沸騰するんじゃないかと思うほど頭に血が上ったこともありますが、上った血が下がったところで考えるという事が習慣になったかもしれません。日本にいても学ぶことはたくさんある、でもやはり外にでなければ「知る」ことはできなかったなあ・・・ということも沢山ある、今咀嚼していることを反芻しどんな風に発酵していくのか、させていくのか。そんなことを思う日々です。
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2006年
6月 1日
青年海外協力隊 16年度 2次隊
職種 野菜
野上 麻子
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