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<青年海外協力隊>

・第 1話 翼をもらった

・第 2話 アスリータの青き森より 

・第 3話 日本文化展示会を通して

・第 4話 日本文化展示会を終えて

・第 5話 リオクラロ村の人々と共に!

・第 6話 咀嚼と反芻

・第7話 丸刈り〜?た!

・第 8話 最高の贈り物

・第 9話 ブエナビスタ村より愛をこめて

・第 10話 コロニア調の町並み、カローラより

・第11話 「世界で一つだけの花」

・第12話 穴を掘り続けて見えるものは?

・第13話 魅惑の大地ベネズエラ

・第14話 ひととちがってあたりまえ

・第15話 日本文化週間に参加して

虹色の架け橋 −協力隊員活動日記−

第15話 Mañana Será Otro Día(日本文化週間に参加して)

    5月12日から19日まで私の任地メリダでは「第9回メリダ日本文化週間」が開催されました。これは毎年5月に日本大使館などの協力を得てロス・アンデス大学が行っている行事です。昨年は先輩隊員の舞台鑑賞をしましたが今年は私が11月から一緒に活動しているロス・ロメリートス(配属先カテドラ・デ・ラ・パス(以下カテドラ)が運営する児童館のような施設。午前・午後各約20人が登録されており、子供たちの多くは家庭内に麻薬、暴力、貧困などの問題を抱えている)の子供たちと一緒に折り紙の出展、仙台すずめ踊りを披露することにしました。

折り紙で水族館を作ろう

  11月からロス・ロメリートスで折り紙講座を中心に活動していますが、最初は折り紙をきちんと2つに折ることさえ出来なかった子供たちも、回数を重ねるにしたがってだんだんと折り紙が上手になってきており、そこで「上達を発表したい」「折り紙に対するモチベーションを上げたい」という点から日本文化週間への出展を決めました。私は通常火曜の午後と水曜の午前に活動しているのですが、3月から毎回2・3種類ずつ海の生き物を折り貯めて4月に全ての海の生き物の折り紙(なんと150個以上ありました!)を模造紙に貼り、名前や模様を書き、水族館を完成させました。

(折り紙を折る子供たち)

  子供たちにとって「動物を折る」ことは私たち大人が想像する以上に楽しいことのようで、毎回「今日は折り紙するの?」「今日は何を折るの?」「私、これを折りたいんだけど!」ととても意欲的であり、楽しみであったようです。

    動物によってはわりと難しい折り方をしなくてはいけないものもあり、学んでできるようになったり、子供たちの間で教えあったり、出来なくて大人が少し手伝ったりしたこともありましたがなんとか子供たちも大満足の立派な水族館が出来上がりました。

(2ヶ月間で出来上がった折り紙を張る子供たち)

日本の踊りを踊ろう!

    去年の日本文化週間で先輩隊員が子供たちと「よさこい」を踊っていたのを見て思い出したのが、小学校の6年間で踊ったり笛を吹いたりしていた「すずめ踊り」でした。これは私の生まれ育った仙台に江戸時代から伝わる踊りです。私が子供たちに教えたのは、私が小学校の時に踊っていたものですので、とても簡単になっていますが、本当はすずめが跳ねるように踊る難しい踊りです。

  最初の1ヶ月は音なしで、ひたすら振りを覚えさせることに専念しました。すずめ踊りを教え始める前は、子供たちは興味を示さないのではないか、飽きてしまうのではないか、または、途中で投げ出してしまうのではないかと、とても不安に思っていました。

  しかし始めてみると、どの子供もとても楽しんで練習しているようで、私自身も嬉しくなりモチベーションが大いに上がりました。4月後半からはお囃子のCDに合わせて練習を始めましたが、この聞き慣れない珍しい音楽が逆に興味をひいたようでどんどんうまくなっていきました。

(すずめ踊りの練習をする子供たち)

(持って踊る扇子を作る子供たち)

 

  もちろん練習の途中では子供同士で「隣の人がぶつかってきた」とか「○○ちゃんがきちんと踊っていない」ということで喧嘩になることもしばしばありましたが、その都度解決していき、「みんなで踊る」ということを少しは楽しく感じてくれたのではないかと思います。

    最後の最後には、本当は迷っていたのですが、子供たちがとてもやる気をみせていること、予想していた以上に踊れるようになったことに押されて、手に持って踊るための扇子を印刷用紙とコーンフレークの箱で作ることにしました。これらを何とか完成させ、あとは本番を待つのみとなりました。

そして本番…

  どんなハプニングが起こるのだろうと少しは心構えをしていたつもりでしたが、最初のハプニングとして、火曜日に踊る予定だったものが、会場の都合で突然月曜日に踊ることになってしまいました。しかもその連絡が来たのが金曜日。果たしてどうやって全ての子供と保護者に連絡しよう、そればかり考えていました。結局口頭で伝えたり、もう一度お知らせの紙を書いたり、家を訪ねたり…。どうにか多くの子供たちに伝えることができました。

(迎えに来たロス・アンデス大学のバスに大はしゃぎの子供たち)

  子供たちを通常の活動場所の外に、しかも夜に連れ出すので、承諾書を配布して保護者のサインのある子供だけを連れて行くことになっていたこと、また、ベネズエラでは「参加します」と言っていても実際に来ないこともよくあることから、当日の集合時間になるまで何人集まるかわかりません。10人集まらなかったらどうしよう…。

    そんな不安の中、集合時間になってみるとなんと22人もの子供が集まってくれました。(参加を表明していたのは26人。)またボランティアで職場の同僚やお母さん方も来てくれました。

(本番前に記念撮影)

  集合してちょっと練習したら立ち位置を決めて、化粧をして、衣装を着て…。立ち位置を決めたら「私はあの位置がいい!」ここでも大騒ぎ。この間に隣の子と喧嘩をして家に帰ってしまう子、化粧をするのに「俺は男だから嫌だ!」と言っていたくせに化粧をしたら化粧の具合を妙に気にする男の子たち、15枚しかない衣装のはっぴを誰に着せるかを決めたら「衣装が着たいよう」と泣き出す子…。それでもなんとか準備を終えて、迎えに来たロス・アンデス大学のバスに乗って出発!バスの中ではみんな興奮気味です。

  私たちは日本文化週間の開会セレモニーで踊ることになっていました。セレモニーが始まり、メリダから3時間のラ・アスリータ村で活動する他の隊員の発表、空手のデモストレーションの後に、ついに私たちの番が回ってきました。

    さあいよいよ踊るというので、各自立ち位置に付くと、子供たちは緊張でガチガチ。踊り始めると、普段は上手に踊れていた子供が周りをキョロキョロ、練習の時は大きな声で掛け声を掛けていたはずなのに小さな掛け声。いつも活動的な子供たちのこの姿に私は思わず微笑んでしまいました。でも振りはきちんと頭に入っていて、よく頑張って踊ったので「よくやった!」という気持ちでいっぱいでした。

    帰りのバスは疲れて寝てしまうかと思っていたのに、行き以上の盛り上がりで、大きな声で歌いながら帰りました。

(一生懸命踊る子供たち)

 

(最後のキメのポーズ!)

メリダ日本文化週間に参加して

  今回のメリダ日本文化週間への参加はいろいろな意味で子供たちにとっていい経験になったと思います。今まで一度も大勢の人の前で発表したことのない子どもが、一生懸命練習した何かを発表したこと、普段わりと怒られることが多い子供たちが多くの人から拍手をもらえたこと、日本文化という異文化に触れたこと、今まで態度のあまりよくなかった子供がすずめ踊りに参加したいがために態度が著しくよくなったこと、勉強があまり出来ない子供もすずめ踊りの練習の時は満面の笑みを浮かべながら中心で踊っていたこと、数え上げればきりがありません。

(子供たちの作った「折り紙水族館」)

  子供にとって自信を持って何かを表現すること、大勢の人から認められること、これらが子供の成長過程においていかに大切であるかを私自身が学ばせてもらった出来事でもありました。これからこのロス・ロメリートスの子供たちといつこのような機会を持つことができるのかはわかりませんが、これからもできる限り多くの、このような経験をするチャンスを作ることができればいいなと思っています。

(配属先の説明と私の活動紹介)

  今回、このメリダ日本文化週間に参加させて下さったロス・アンデス大学、日本大使館、そして夜遅くまで手伝ってくれた職場の仲間に感謝の気持ちでいっぱいです。


18年度 3次隊 青少年教育

メリダ州メリダ市

由佐泰子

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