1.対ガイアナ関係
4日,ノーマン・ジルバン国連仲介役が当国を訪問,マドゥーロ外相等とベネズエラ−ガイアナ間の領土係争地域(エセキボ地域)問題について協議を行った。その結果両者は,ベネズエラ側はロイ・チャデルトンOAS担当大使を,ガイアナ側はラルフ・ランカラーム氏を本件問題解決のためのファシリテーターとして立て,ジルバン国連仲介役を含めた3者で定期的に会合を行い,右会合の結果をマドゥーロ外相及びロドリゲス・ガイアナ外相に報告し,さらに両外相がそれを潘基文国連事務総長に報告することで合意した。
2.チャベス大統領の外遊中止
チャベス大統領は,9日より予定していたブラジル,エクアドル,キューバ訪問を,軍所属時代に痛めた左膝の古傷が悪化したとの理由により延期した。
3.対コロンビア関係
(1)9日,麻薬関係者マクレド容疑者の身柄が,収監されていたボゴタ市のラ・ピコタ刑務所からコロンビア軍のヘリコプターで同市のカタム空軍基地に移送され,同基地からベネズエラの小型飛行機YV-2670号でカラカスに向けて送還された。同機は同日午前11時30分,カラカス首都区ラ・カルロタ地区のフランシスコ・デ・ミランダ総司令官空軍基地に到着し,その後,マクレド容疑者の身柄は,内務司法省科学・刑事捜査機関(CICPC)の警護車両数台に先導され,内務司法省諜報局(SEBIN)本部に移送された。
(2)10日,イギリスの国際戦略研究所(IISS)は,チャベス大統領とFARCの関係に関する調査報告書を発表した。同報告書は,冒頭部で「2000年頃からチャベス大統領は,コロンビアの戦略的安定に影響を与える目的でFARCを資金面で支援するようになった。」と論じ,「チャベス大統領とFARCの関係は持続的で根強く,且つ戦略的なものであるため,現在サントス・コロンビア大統領が進めているベネズエラとの関係強化に向けた動きには,あまり良い成果は期待できない。」と結論づけている。
(3)12日,ホセ・フェルナンド・バウティスタ在ベネズエラ・コロンビア大使は「一身上の都合」により辞任を表明し,16日にコロンビア外務省はそれを受け入れた。23日,サントス・コロンビア大統領は,バランキージャ出身の企業家カルロス・クレ氏を新たな在ベネズエラ・コロンビア大使に任命した。
4.対タジキスタン関係
16日,ベネズエラ政府はタジキスタンと外交関係を樹立し,ベラスケス在イラン・ベネズエラ大使がタジキスタン兼轄大使として,ラフモン・タジキスタン大統領に信任状を捧呈した。
5.対ホンジュラス関係
22日,マドゥーロ外相は,コロンビアのカルタヘナで行われた,ロボ・ホンジュラス大統領とセラヤ同国前大統領の「カルタヘナ合意」の署名に,サントス・コロンビア大統領,オルギン同国外相とともに立会人として参加した。
6.対米国関係
(1)24日,ジェームズ・スタインバーグ米国務副長官は,当国のPDVSAを含む外国企業7社に対し,米国の包括的イラン制裁法(CISADA)の規定に基づき制裁を課す旨発表した。米国務省の発表によれば,今回のPDVSAに対する制裁措置は,同社が2010年12月〜2011年3月の間に,少なくとも2回にわたり5,000万ドル相当のガソリンをイランに輸出したとの違反理由により発動されたもので,PDVSAによる米国政府との契約及び,米国側からの貿易融資を禁止する内容となっている。
(2)同日,マドゥーロ外相及びラミレス・エネルギー石油大臣兼PDVSA総裁は記者会見を行い,米国政府のPDVSAに対する制裁措置を断固として拒否する旨表明するとともに,本件制裁措置の影響については現在精査中であり,右精査の結果に応じて,米帝国主義の攻撃(本件制裁措置)に対するより適切な対応を発表すると述べた。
7.対中国関係
26日,ベネズエラ・中国両政府は,当国にとっては2号機となる人工衛星VRSS-1(VENEZUELAN
REMOTE SENSING SATELITE:ベネズエラ遠隔探査機)の打ち上げに関する基本合意に署名した。同衛星は中国において製造,2012年10月に同国からの打ち上げが予定されており,5−6年の寿命を有する。
8.対日関係
27日,チャベス大統領は,自身のツイッターを通じて,6月6日からデジタルテレビの実験放送が当国で開始される旨明らかにした。2009年にベネズエラ政府は,地デジ放送に関し,伯,ペルー,アルゼンチンと同様に日本方式を採用する旨決定している。 |