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政 治 概 況

1.内  政

(1)30日,チャベス大統領は,滞在中のキューバからテレビを通じて,自身にガン細胞が見つかった旨告白するとともに,手術により現在体調は回復に向かっていると述べた。

(2)12日,当国ミランダ州の刑務所RodeoTで囚人同士による銃器を用いた内部抗争が起こり,死亡者22名,負傷者が多数発生した。これに対し政府当局は,刑務所RodeoT及び右に隣接するRodeoUの管内に国家警備軍を出動させRodeoTの事態を沈静化させたが,RodeoUの囚人は依然武装して国家警備軍の出動に抵抗しており,膠着状態が続いている。

2.外  

(1)チャベス大統領はブラジル,エクアドル,キューバを訪問し,各国で二国間協力に関する合意文書に署名をした他,キューバでは骨盤膿瘍及びガン細胞摘出の手術を行った。

(2)29日,ベネズエラ外務省は,7月5日−6日に当国のマルガリータ島にて開催を予定していた第3回ラ米カリブ首脳会合を,チャベス大統領の体調問題を理由に延期する旨発表した。

内 政

1.チャベス大統領の体調問題

(1)10日付ベネズエラ外務省コミュニケは,チャベス大統領がキューバ訪問中に体調を悪化させ,医療検査を行った結果「骨盤膿瘍」と診断され,同国で緊急の外科手術を受けたと発表した。

(2)30日午後9時,チャベス大統領は滞在中のキューバから,テレビを通じ原稿を読み上げるかたちで短時間の演説を行い,10日に骨盤膿瘍の緊急手術を行った後の更なる医療検査の結果,自身にガン細胞が見つかり再度手術を行った旨告白するとともに,手術により現在体調は回復に向かっていると述べた。

2.ルシアン会計検査院長の逝去

 20日,4月下旬より脳血管障害のためカラカスの私立病院に緊急入院し,その後キューバで集中治療を受けていたルシアン会計検査院長が腎不全のため72歳で逝去した。

3.当国刑務所における暴力騒動

(1)12日,当国ミランダ州の刑務所RodeoTで囚人同士による銃器を用いた内部抗争が起こり,政府の公式発表によれば死亡者22名,負傷者が多数発生した。

(2)これに対し政府当局は,事態の収拾と刑務所内の秩序回復を目的として刑務所RodeoT及び右に隣接するRodeoUの管内に3,500名を超える国家警備軍を出動させるとともに,所内の銃器回収と所持品検査のためにRodeoTの囚人約2,500名を他の刑務所に移送させる等の措置をとった。同措置により,RodeoTの騒動はある程度沈静化したものの,RodeoUの囚人は依然武装して国家警備軍の出動に抵抗しており,膠着状態が続いている。

                                                                                                   

外 交

1.対米関係

 2日,米国務省は,コーフィールド駐ベネズエラ米国臨時代理大使の後任として,国務省所属のケリー・キダーリング氏を任命した。

2.対コロンビア関係

 2日,ナランホ・コロンビア国家警察長官は,5月31日,ギジェルモ・トーレス・クエテル,別名「フリアン・コンラド」FARC幹部が,8ヶ月前から潜伏していた当国バリーナス州の農場で,ベネズエラ国家麻薬対策局(ONA)の手により逮捕された旨発表した。

3.対ブラジル関係

 6日,チャベス大統領はブラジルを訪問し,ルセーフ・ブラジル大統領等と会合を行い,農業,科学技術,石油エネルギー,インフラ分野の協力に関する14の合意文書に署名を行った。主な合意文書としては,ゼネコン大手オデブレヒト社による当国の住宅建設に向けた40億ドルの融資,ブラジル国立経済社会開発銀行(BNDES)のPDVSAに対する造船所建設に向けた6億3,700万ドルの融資,PDVSAとブラジルの応用経済研究所(IPEA)及び連邦貯蓄銀行(CAIXA)とのオリノコ油田地帯の石油種まき計画等がある。

4.対ペルー関係

(1)6日,ベネズエラ外務省は,ペルーの大統領選挙において勝利宣言したウマラ候補を祝福する旨のコミュニケを発出した。

(2)27日,ウマラ次期ペルー大統領の専属報道機関は,6月最終週の週末に予定されていたウマラ次期ペルー大統領のベネズエラ訪問を,チャベス大統領の体調問題を理由に再度延期する旨発表した。ウマラ次期ペルー大統領は当初,22日からベネズエラ,コロンビア,エクアドルを訪問する予定で外交日程を組んでいたが,チャベス大統領の体調問題を理由に右外遊を次週(6月最終週)に延期した経緯がある。

5.対エクアドル関係

 7日,チャベス大統領はエクアドルのサンタ・エレナ県サリナスでコレア・エクアドル大統領等と会合を行い,住宅,科学技術,食糧,石油,経済分野の協力及び合同信託基金の設立等に関する14の合意文書に署名をした。主な合意文書としては,ベネズエラにおける建設材生産の合弁会社の設立,ペトロエクアドル社の当国北東部アンソアテギ州の油田開発への参入,エクアドル産自動車の輸入ライセンス(2011年に1万4,000台)の発行,6,600万ドル(ベネズエラ側が5,000万ドル,エクアドル側が1,600万ドルを出資)の合同信託基金の設立等がある。

6.対キューバ関係

 8日−11日,第11回ベネズエラ・キューバ政府間委員会がハバナにて開催され,最終日の11日,ベネズエラ側よりラミレス・エネルギー石油大臣,キューバ側よりカブリサス閣僚評議会副議長が共同議長として,養鶏,農業,漁業,科学技術,スポーツ,観光,インフラ,経済,エネルギー分野における116のプロジェクト(13億ドル相当)を含む,2011年の二国間協力計画に関する合意文書に署名を行った。主な合意事項としては,シエンフエゴス市(キューバ)の石油精製所の拡張及びキューバにおける液化天然ガス精製所の建設,両国間の海底ケーブル・プロジェクト(本年7月に本稼働を予定),ベネズエラにおける薬剤製造施設の建設及び,現在ベネズエラ政府が実施中の「Gran Mision Vivienda」(住宅建設プロジェクト)及び「Mision Agro Venezuela」(農業生産向上プロジェクト)に対するキューバ政府からの支援等がある。

7.第3回ラ米・カリブ首脳会合の延期

 29日付ベネズエラ外務省コミュニケは,7月5日−6日に当国のマルガリータ島にて開催を予定していた第3回ラ米カリブ首脳会合を,チャベス大統領の体調問題を理由に延期する旨及び,ベネズエラとラ米カリブ地域各国は本件会合を,2011年下半期にベネズエラにおいて実施すべく新たな日付を設定する旨合意に至ったと発表した。

 

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