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  ベネズエラ・マンスリー政治情報(平成238

 

政 治 概 況

1.内  政

(1)チャベス大統領は,5日−13日までキューバを訪問してガン治療の化学療法第2フェーズを受け,27日から化学療法第3フェーズを受けるためにカラカスの軍病院に入院した。

(2)17日,政府当局は,米国及び欧州発の経済危機から当国の準備資産を護るため,海外に保有する金準備を本国に送還する旨及び,当国の金産業を国営化する旨発表した。

 2.外 交

(1)23日,チャベス大統領は,同日,リビアの反政府勢力が首都トリポリにあるカダフィ大佐の拠点を制圧した件に関し,ベネズエラ政府は引き続きカダフィ政権を支持する旨表明した。

(2)22日−24日,ラヴロフ露外相が当国を訪問,チャベス大統領及びマドゥーロ外相と会合を行い,外交,科学,文化に関する3つの合意文書に署名を行った。

内 政

1.チャベス大統領の病気関連

(1)5日,チャベス大統領は,ガン治療の化学療法第2フェーズを受けるために再度キューバを訪問し,13日夜に当国に帰国した。帰国後,チャベス大統領は,「化学療法の第2フェーズは12日に特別な困難もなく終了した。今後は主治医が,治療後の反応を見つつ,化学療法の第3フェーズを行う必要があるかどうか,さらには放射線療法を行う可能性について決定する予定である。」と述べた。

(2)27日午後9時30分,チャベス大統領は,ガン治療の化学療法第3フェーズを受けるため,カラカスのカルロス・アルベロ軍病院に入院した。チャベス大統領は入院前のインタビューにおいて,「(キューバで受けた)化学療法第1フェーズ及び第2フェーズは上手くいっており,これから受ける第3フェーズも上手くいくと確信している。私は,生き続けると決めているため,これまで医者の処方に忠実に従ってきた。いまはまだ死ぬ時ではない。これからの数年間で,これまで以上のことをしなければならない。私は完全回復し,国に奉仕し続けることを決心している。」と述べた。

 2.チャベス大統領の野党に対する批判

(1)チャベス大統領は,5日のキューバ出発前に受けたインタビューにおいて,「野党は地方選挙のいくつかで勝利することはできても,大統領選挙で勝利することは絶対にできない。野党連合MUD(民主統一会議)には,大統領選で勝利できるだけの構造的且つ有機的な能力がいない。但し,野党側には,大統領選挙で敗北した時に備え,米国政府,米国大使館,CIAの協力の下に準備をすすめている『プランB』と呼ばれる暴力(クーデター)計画が存在する。」と述べた。

(2)14日,チャベス大統領は当地国営テレビの番組に電話を通じて出演し,野党連合MUDは2012年大統領選挙における政府与党の勝利を無に帰する陰謀を企てており,そのための資金援助を依頼する旨の書簡を米国議会宛に送っている他,スペインの国民党にも支援を依頼していると訴え,右は憲法に違反する行為であるとして,政府当局に野党側の司法調査を行うよう要請した。

3.金準備の本国送還と金産業の国営化

(1)17日,ジョルダーニ企画財務大臣及びメレンテス中銀総裁は記者会見を行い,米国及び欧州発の経済危機から当国の準備資産を護るため,海外に保有する金準備を本国に送還し,当国中銀の金庫に保管する旨発表した。

(2)17日,チャベス大統領は,これまで政府認可の半民半官企業により事業が進められてきた金産業(金鉱の探査と採掘)を国営化する旨発表し,23日の閣議において金産業国営化の大統領令に署名を行った。

4.パブロ・ペレス・スリア州知事の大統領予備選への出馬表明

 19日,パブロ・ペレス・スリア州知事(新時代党)が,野党連合MUDの大統領予備選挙(2012年2月12日開催予定)への出馬を表明した。

5.共和国管財長官(Procurador General)の任命

 30日,臨時国会において,マルガリータ・メンドーラ・サンチェス共和国管財長官に替わり,カルロス・エスカラ(Carlos Escarra)与党PSUV国会議員の同職への任命が承認された。

外 交

1.対リビア関係

(1)1日,リビア政府のAbdul Hafid Al Zleini全国人民委員企画財務書記及びMohamed Zydan全国人民委員交通・通信書記が当国を訪問,マドゥーロ外相と会合を行い,NATO軍のリビア国民に対する違法な武力行為について意見交換を行った。

(2)23日,チャベス大統領は,リビア情勢(同日,リビアの反政府勢力が首都トリポリにあるカダフィ大佐の拠点を制圧)に関して,帝国主義(NATO軍)によるリビア国内の内乱を誘発する戦略を批判するとともに,「我々はひとつの政府しか認めない。それは,カダフィ大佐が統治する政府である。それがリビア政府であり,我々にとって他の政府はありえない。」と述べ,カダフィ政権に対する支持を表明した。

(3)24日,チャベス大統領は,在リビア・ベネズエラ大使館及び大使公邸がリビアの反体制派により襲撃された件に関して批難を表明した。

 2.対イラン関係

 15日,チャベス大統領はアフマディネジャード・イラン大統領と電話会談を行い,経済危機に対処するため,OPECの枠組み内で両国の協力を高めていく必要性について合意した。

 3.対アルゼンチン関係

 15日,チャベス大統領はフェルナンデス亜大統領と電話会談を行い,同大統領の大統領予備選勝利を祝福した。

 4.対ベラルーシ関係

 17日,チャベス大統領はルカシェンコ・ベラルーシ大統領と電話会談を行い,二国間協力について議論するとともに,2011年中にルカシェンコ大統領のベネズエラ訪問を実現させる旨合意した。

 5.対米関係

 19日,ベネズエラ政府は,米国務省が18日に発表した「国別テロ報告書」における,ベネズエラはテロとの戦いに十分な協力を行っていないとする報告を断固拒否する旨の外務省コミュニケを発出した。

6.対ロシア関係

 22日−24日,ラヴロフ露外相が当国を訪問,チャベス大統領及びマドゥーロ外相と会合を行い,外交,科学,文化に関する3つの合意文書に署名を行った。右合意文書には,多極主義の推進や地域機関への支援等両国の戦略的関係の強化を目的とする2011−2014年協議計画,二国間会合の成果,多極化世界の創設に向けた協力を約束する共同宣言及び,ロシア語及びロシア文化のカラカスにおける普及を目指した科学・文化センター設立計画等が言及されている。

 7.対南米諸国連合(UNASUR)関係

(1)12日,マドゥーロ外相,ジョルダーニ企画財務大臣,メレンテス中銀総裁がブエノスアイレスを訪問,UNASUR経済金融委員会の会合に出席した。

(2)16日,メヒーアUNASUR事務局長が当国を訪問,大統領府でチャベス大統領と会合を行った。

(3)24日,マドゥーロ外相がブエノスアイレスを訪問,同地で開催されたUNASUR臨時外相会合に出席した。同会合では,米国及び欧州発の経済危機への対応策について議論が行われた他,本年12月9日にベネズエラで第3回ラ米カリブ首脳会合を開催するとのベネズエラ政府の提案に対して各国外相からの支持が表明された。

 8.第5回アジア中南米協力フォーラム(FEALAC)外相会合

 25日,マドゥーロ外相はブエノスアイレスを訪問,第5回アジア中南米協力フォーラム(FEALAC)外相会合に出席した。同会合において,リビア反体制派による在リビア・ベネズエラ大使館及び大使公邸への襲撃を非難する旨のコミュニケが発出された。

 

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