1.チャベス大統領の病気関連
(1)16日,チャベス大統領は,化学療法後の自身の体調を確認するための医療検査を受けるためキューバを訪問し,20日に帰国した。チャベス大統領は帰国後の記者会見において,「キューバでの一連の医療検査の結果,4ヶ月間で計4回の化学療法による臓器への副作用は見られなかった。また,断層撮影と核磁気共鳴による精密検査を行った結果,体内にガン細胞は見つからなかった。今回の医療検査は20点満点だったと言える。但し,今後も4ヶ月毎に体調の回復具合をチェックしなければならない。」と述べた。
(2)チャベス大統領の元主治医と称するサルバドール・ナバレテ外科医は,16日発行のメキシコの週刊誌「ミレニオ」のインタビューにおいて,チャベス大統領の冒されているガンは肉腫であり,余命は2年未満であると発言した。
(3)22日,チャベス大統領の現在の主治医であるカルロス・アルベロ軍病院のヘスス・シソ院長等3名が記者会見を行い,ナバレテ外科医がメキシコの週刊誌に話したチャベス大統領の病状に関する発言は科学的根拠と真実性を欠くものであるとして,これを否定する旨発表した。
2.ロペス前チャカオ市長の公職権に関する最高裁判決
(1)17日,当国最高裁憲法法廷は,ロペス前チャカオ市長に対する公職権停止処分を無効とした米州人権裁判所の判決に関して,ベネズエラが批准している反汚職に関する一連の国際協定にそぐわない判決であるとして,これに従わないとの決定を下した。
(2)同日,モラレス最高裁長官は記者会見において,「ロペス前チャカオ市長が(会計検査院長より)科された公職権停止処分は行政罰である。全国選挙評議会(CNE)に選挙登録し,大統領職を含む全ての公選職に立候補することには何の支障もないが,その後公職に就くことができるかについては別問題である。」と述べた。
(3)18日,ロペス前チャカオ市長は,本件に関する最高裁の判決は不明瞭であると批判しつつも,引き続き2012年2月の野党連合MUD(民主統一会議)の大統領予備選に立候補する旨表明した。
3.反政府系テレビ局グロボビシオンに対する罰金支払命令
18日,国家電気通信委員会(Conatel)は,市民の不安や憎悪を引き起こし,公共秩序を脅かす内容を放映したとして,反政府系民放グロボビシオンに対し9.3百万ボリバル(約2.16百万ドル)の罰金を科した。
4.野党の大統領予備選挙に向けた動向
24日,野党連合MUD(民主統一会議)の予備選挙委員会は,2012年2月12日に開催予定の大統領予備選挙に向け,MUD予備選規則に従い,11月1日から3日まで大統領予備候補者の登録受付を行い,条件審査を経て11月11日に最終的な大統領予備候補者を公表すると発表した。
5.当国国軍の給与引き上げ
26日,チャベス大統領はカラカス市内で行われた国軍の式典において,国軍の給与を本年9月1日に遡及して50%引き上げる旨発表した他,国軍社会対策機関(IPSFA)に対して,国軍軍人が住宅及び自動車をローン購入する際の頭金の支払いを免除するよう命じた。 |