1.ラ米カリブ諸国共同体(CELAC:Comunidad
de Estados Lationamericanos y Caribenos)の設立
(1)2〜3日,当地ティウナ軍基地において,ラ米カリブ首脳会合(CALC)が開催され,ラ米カリブ諸国共同体(CELAC)の設立につき合意,
採択された。チャベス大統領が議長を務める中,
CALC会合に参加した33ヶ国の中南米・カリブ諸国首脳らは,カラカス宣言,カラカス行動計画,CELAC手続き規程に加えフォークランド諸島,キューバ制裁,食糧安全保障,テロとの戦い等に関する19のコミュニケを採択した。
(2)チャベス大統領は,
来年1月にトロイカ体制(現行の議長国,前回の議長国,次回の議長国で形成される)で会合を開催し,
CELACの採決方法,
常設事務所を創設する可能性等について議論することを提案した。
2.メルコスール首脳会合
(1)20日,チャベス大統領はベネズエラの加盟問題が議題となったメルコスール首脳会合に出席するため6月のガンの手術後初めての外遊となるウルグアイを訪問した。
(2)チャベス大統領は,首脳会合の演説の中で,パラグアイ議会の4〜5人の議員の反対によってこのような地域統合の重要な決定が左右されることがあってはならないと述べる一方,新規加盟問題検討委員会の設置が決定されたことに対し満足の意を表明した。
3.対アルゼンチン関係
1日,フェルナンデス大統領が当国を訪問,当国大統領府にてチャベス大統領と会合を行い,エネルギー,産業,商業,住宅,食糧分野での二国間協力協定に署名した。また両大統領はフォークランド諸島について,ベネズエラがアルゼンチンへの支持・団結を表明する共同宣言に署名した。
4.対ブラジル関係
1日,ルセフ大統領が当国を訪問,当国大統領府にてチャベス大統領と会合を行い,住宅,経済協力,エネルギー等の分野における11の協定を締結した。
5.対ロシア関係
(1)7日〜8日,ハウア副大統領及びラミーレス石油・鉱業大臣がロシアを訪問し,第8回ベネズエラ・ロシア政府間ハイレベル委員会会合に参加し,運輸,エネルギー・鉱業,金融,軍事技術,農業,スポーツ・文化,外交,産業,科学産業,通信技術,防災の10の作業グループに分かれて議論を行い,7つの合意文書に署名した。
(2)8日,ハウア副大統領は,プーチン露首相及びセーチン露副首相と会談を行い第8回ベネズエラ・ロシア政府間ハイレベル委員会会合における合意事項について意見交換を行った。
(3)8日,チャベス大統領とプーチン首相は第8回ベネズエラ・ロシア政府間ハイレベル委員会会合開催に際し電話会談を行った。
6.対日関係
10〜11日,ラミーレス石油・鉱業大臣が日本を訪問し,日本側民間企業と協議を行った。
7.対イラン関係
(1)12日,アフマディネジャード・イラン大統領はベネズエラ人記者によるインタビューに応じ,米国及びEU連合は,ベネズエラ及びニカラグアに対するのと同様,イランを根絶させる意図がある旨述べた。また,キューバ及びベネズエラが米国の中央政府機関に対するイランのサイバーテロに関与しているという米国政府からの批難を拒否した。
(2)13日,チャベス大統領は,テヘランから生中継されたアフマディネジャード・イラン大統領のインタビューをテレビで見たが,同大統領に対し,ベネズエラ政府及びベネズエラ国民に対する連帯の意の表明に感謝を表したい旨述べた。
(3)27日,チャベス大統領は、アフマディネジャード・イラン大統領が2012年1月に当国を訪問する予定である旨発表した。
8.対米国関係
(1)19日付当地エル・ウニベルサル紙は,オバマ米国大統領が同紙による書面インタビューの中で,ベネズエラ政府のイラン,キューバとの繋がりはベネズエラ国民の利益にならない,また,ベネズエラでは,表現の自由を制限するような政策,国家権力の独立が脅かされている政策がとられていると述べる一方,ベネズエラと米国とのより良い関係は,両国民により利益をもたらすと考えると述べた旨報じた。
(2)19日,チャベス大統領は,「オバマ大統領は米国の問題を解決することに専念し,我々を放っておいてほしい。大統領に再選するためベネズエラを攻撃することで票集めをしているが,我々は自由であり,米国乃至いずれの国にも決して従属することはない。」と述べ,南米諸国の内政問題に対する干渉である旨批判した。 |