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  ベネズエラ・マンスリー政治情報(平成245

 

政 治 概 況

1.内政

(1)4月30日からキューバに滞在していたチャベス大統領は,11日,同国での放射線治療を終え,ベネズエラに帰国した。

(2)4日,バレラ刑務所大臣は,カラカス首都区リベルタドール市所在のラ・プランタ刑務所の囚人を他の刑務所に移送すると発表したが,これを拒む約1,600名の囚人が同刑務所内に立て籠もり,警察当局との間で銃撃戦が発生,付近の住民数名が流れ弾により死傷した。

2.外交

(1)8日,当国国会は,ベネズエラの米州人権委員会からの脱退を承認した(但し,未だ正式な脱退に係る手続きはとられていない)。

(2)21日にベネズエラとコロンビアの国境付近でFARCとコロンビア国軍の戦闘があり国軍兵士12名が殺害された事件を受け,チャベス大統領は国境付近に国軍を出動させた。

内 政

1.チャベス大統領の動き

(1)4月30日からキューバに滞在していたチャベス大統領は,11日,同国での放射線治療を終えマイケティア国際空港に到着,空港で約20分間の演説を行い,「この数日間で,医師が計画していた放射線治療の全行程を成功裏に終えた。この手の治療につきもののいくつかの困難はあったものの,治療を中断しなければならないようなことには至らなかった。」と述べた。

(2)18日,チャベス大統領は当地国営テレビの番組に電話を通じて出演し,自身の体調について,「私は受け入れなければならない。国民に告白する。残念ながら,私はもう暴れ馬(caballo desbocado)ではいられなくなった(これまでの様に精力的に活動することはできないとの意)。今は,ダイエットを継続して,毎日8時間働いている。馬である前に水牛(bufalo)の力強さを与えてくれるよう神にお願いする。今週(14日の週)は,放射線治療後の医師の指示に厳格に従い,(執務室に)閉じこもって働いていた。」と述べた。

(3)22日,チャベス大統領は大統領府で約2時間にわたる閣議を主宰し,6月1日−11日の登録期間中に全国選挙評議会(CNE)に自身の大統領候補者登録を行う,10月7日の大統領選挙に勝利した後の政府の最初の課題は経済の改善(8%の経済成長及びインフレ率を一桁に抑える)である,6月から治安対策に関する新たなミッション(Gran Mision A Toda Vida)を開始すると述べた。

(4)29日,チャベス大統領は大統領府において約4時間にわたる閣議を主宰し,ハウア副大統領に対し,陪審員制度の撤廃や簡易裁判所の増設を含む刑事訴訟基本法の改正を急ぐよう要請するとともに,10月の大統領選挙に勝利する,野党(カプリレス野党統一候補)が掲げる政策案は不十分でとてもベネズエラ国民に見せられるものではないと述べた。

2.カプリレス野党統一候補の動き

(1)カプリレス野党統一候補は5月中,スクレ州,アンソアテギ州,バリーナス州,スリア州,アマソナス州,カラボボ州,アプレ州,ポルトゲサ州を遊説し,有権者各家庭の戸別訪問(casa por casa)を行った。

(2)9日,コロンビアのボゴタ市で行われた在留ベネズエラ人を対象とする講演会において,自身が政権に就いた際には,石油生産量を日量600万バレルに増産させ,国内産業を多角化し,アンデス共同体(CAN)への再加盟を目指す旨述べた。

(3)16日,野党国会議員は,現政権が実施する各種社会支援ミッションから政治色を排除し,より多くのベネズエラ人に裨益者を拡大させるのを趣旨とする「全員平等のミッション法案」(proyecto de la Ley de Misiones para Todos por Igual)を国会に提出した。

(4)27日,カラカスにおいて,100万の若年雇用の創出を目標とする「第一雇用計画」(Plan Primer Empleo)を発表した。

(5)29日,カラカスにおいて,犯罪予防,警察の質・量の改善,司法制度及び刑務所制度の改革を趣旨とする「全ての人のための治安計画」(Plan Seguridad para Todos)を発表した。

 3.国家評議会の設立に向けた動き

(1)4月30日,チャベス大統領は,国家評議会(Consejo de Estado)を設立して,同評議会でベネズエラの米州人権委員会からの脱退について検討するよう要請した。国家評議会は,憲法第251条において「国家及び政府の最高諮問機関」と位置づけられているが,1999年12月に現行憲法が発効されてから約13年間,設立されずに今日に至っている。

(2)9日,国家評議会のメンバーとして,ハウア副大統領(同評議会議長),ビセンテ・ランヘル元副大統領,ロイ・チャデルトンOAS大使,ヘルマン・ムンダライン国連大使,ラファエル・ジアコピーニ海軍中将,ルイス・ブリトー大学教授(作家),エアルレ・エレラ与党PSUV所属国会議員(国会代表),モラレス最高裁長官(最高裁代表),ホルヘ・ガルシア・バルガス州知事(全州知事代表)の計9名が選出された。

 4.カラカスにおける刑務所騒動

(1)4日,バレラ刑務所大臣は,カラカス首都区リベルタドール市所在のラ・プランタ刑務所の囚人を他の刑務所に移送すると発表したが,これを拒む約1,600名の囚人が同刑務所内に立て籠もり,刑務所への突入を試みた警察当局との間で銃撃戦が発生,流れ弾により付近の住民1名が死亡,他数名が負傷した。

(2)18日,バレラ刑務所大臣は,ラ・プランタ刑務所に残っていた囚人全員を別の刑務所に移送した旨発表した。

外 交

1.対エクアドル関係

 14日,パティーニョ・エクアドル外相が当国を訪問,マドゥーロ外相と会合を行い,PDVSAからPETROECUADORへの石油製品輸出,PDVSAからエロイ・アルファロ精油所(エクアドル)への原油輸出,税関手続きの簡略化に関する協力,両国租税監督庁の徴税機能向上に関する協力の計4つの合意文書に署名した。

 2.対ガイアナ関係

(1)国連大陸棚限界委員会は,4月30日付報告書を通じて,小委員会を設置してガイアナの大陸棚延長申請について審議する旨決定したと発表した。

(2)15日,ニューヨークにおいて,ノーマン・ジルバン国連仲介人主催の下,ロイ・チャデルトンOAS大使(ベネズエラ代表ファシリテーター)とラルフ・ラムカラーン氏(ガイアナ代表ファシリテーター)による,エセキボ地域をめぐる領土係争問題の平和的解決に向けた技術的会合が行われた。

 3.対米関係

(1)12日,ジェイコブソン米国務次官補は,ベネズエラ政府はまだOASにも他の組織にも選挙オブザーバーの招待を発出していないが,選挙オブザーバーとして実績のある組織を10月の大統領選挙に招待することを期待すると述べた。

(2)23日,ロムニー米大統領候補は,「チャベスとカストロは米国にとって危険人物である。」と発言した。

(3)25日,ベネズエラ外務省は,米国務省が発表した人権報告書の内容を非難する旨のコミュニケを発出した。

 4.対コロンビア関係

(1)22日,チャベス大統領は大統領府で行われた閣議において,21日に国境付近のコロンビアのグアヒラ県マイカオ市でFARC第59戦線とコロンビア国軍の戦闘があり国軍兵士12名が殺害された事件に関し,「サントス・コロンビア大統領と電話で2回話をし,FARCゲリラがベネズエラ領土に逃亡したとの警告を受けた。我々はベネズエラ領土へのいかなる武装集団の侵入も許さない。」と述べ,スリア州のコロンビアとの国境付近に国軍を出動させる旨発表した。

(2)22日,ピンソン・コロンビア国防大臣は,「FARC第59戦線は,おそらくかなり前からベネズエラ領土(スリア州)に軍事拠点を有している。」と述べた他,マンティージャ・コロンビア国軍司令官は,「我々が得ている情報では,FARC第59戦線はベネズエラ領土から越境してきてコロンビア国軍兵士を襲撃し,再びベネズエラ領土に逃げていった。」と述べた。

(3)24日,オルギン・コロンビア外相が当国を訪問,マドゥーロ外相と会合を行い,両国国境付近の警備を強化する旨合意に至った。

 5.ベネズエラの米州人権委員会からの脱退をめぐる動き

(1)4月30日,チャベス大統領は,国家評議会を新設して,同評議会でベネズエラの米州人権委員会からの脱退について検討するよう要請した。

(2)3日,マドゥーロ外相はコロンビアのカルタヘナで行われた南米諸国連合(UNASUR)外相会合に出席し,米州人権委員会の脱退とUNASUR独自の人権委員会の設立を呼びかけた。

(3)8日,当国国会は,ベネズエラの米州人権委員会からの脱退を承認した。

(4)10日,インスルサ米州機構(OAS)事務局長は,ベネズエラ政府から未だ正式な通知を受けていないので米州人権委員会からの脱退の件については何も言えないが,OAS憲章には米州人権委員会の脱退に関する規約は存在しないと述べた。

 

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