1.チャベス大統領の動向
(1)9日,チャベス大統領は,キューバでの放射線治療後1ヶ月が経過し,数日前に,磁気共鳴画像(MRI),断層撮影等のメディカルチェックを行ったことを明らかにし,「体調は万全である。この命はベネズエラに捧げるためにある。」と述べた。
(2)11日,チャベス大統領は街宣車に乗り,街頭に参集した支持者の群衆の中を大統領府から全国選挙評議会(CNE)本部まで移動,CNEで2013年−2019年第2次国家社会主義計画の提出と,自身としては4回目となる大統領候補者登録を行った後,CNE本部前の広場に参集した支持者に対し約2時間40分の演説を行った。
2.カプリレス野党統一候補の動向
(1)10日,カプリレス野党統一候補は,カラカス市内のエステ公園から全国選挙評議会(CNE)までの約10?qの道のりを支持者と共に歩き,CNE本部前のカラカス広場で約20分間の演説をした後,CNEに大統領候補者登録を行った。
(2)カプリレス野党統一候補は6月中,ヌエバ・エスパルタ州,ボリバル州,モナガス州,スクレ州,アラグア州,メリダ州,スリア州,バリーナス州,グアリコ州,アンソアテギ州,ファルコン州,ヤラクイ州,カラボボ州,ララ州を遊説した他,7月1日のメキシコ大統領選挙前の28日,選挙プロセス視察のためにメキシコを訪問した。
3.大統領選挙関連
(1)1日から11日にかけて大統領候補者登録が行われ,14日,全国選挙評議会(CNE)は,チャベス大統領(与党PSUV党),カプリレス野党統一候補(野党連合MUD),ラファエル・ウスカテギPPT党党首,ジョエル・アコスタ氏(VBR党),レイナ・セケラ女史(Poder
Laboral党),マリア・ボリバル女史(PUDPL党),オルランド・チリノス氏(PSL党),ルイス・レジェス氏(ORA党)の計8名を大統領候補者として承認した。
(2)8日,CNEは,駐マイアミ総領事館の一時閉鎖に伴い同総領事館で投票できなくなった約2万3,000人の在留ベネズエラ人の在外投票を,駐ニューオリンズ総領事館で行う旨発表した。
(3)25日,CNEは,10月の大統領選挙に投票可能な選挙人登録者数を約1,890万名(うち在外が約10万人)と発表した。
4.大統領授権法の期限満了
17日,2010年12月17日に長雨災害への対応を目的として18ヶ月間の期限付きで付与されていた大統領授権法が期限満了となり,チャベス大統領はこの18ヶ月間で計54の大統領令を発効した。なお,期限満了2日前の15日,チャベス大統領は,大統領授権法を通じて労働ミッション法,改正住居法等を含む計11の大統領令を駆け込みで承認した。
5.治安対策ミッション
20日,チャベス大統領は,(ア)犯罪防止,(イ)治安当局の強化,(ウ)司法・刑事制度改革,(エ)刑務所制度の近代化,(オ)犯罪被害者対応窓口の設置,(カ)共生と治安に関する知識の普及の6つの主項目により構成される新たな治安対策ミッション(Gran
Mision A Toda Vida Venezuela)を開始する旨発表した。また,同ミッションの第一段階は全国335市の中で特に治安が悪いとされる79市で実施される予定で,29億2,400万ボリバルの予算が承認された。 |