1.対米関係
(1)3日,オバマ米大統領は米ウニビシオン局のインタビューにおいて,全ての西半球諸国が(ベネズエラで起きている)暴力,抗議,(マドゥーロ政権による)野党勢力に対する厳格な対応について注視している,合法的な選挙において自身の指導者を決定するのはベネズエラ国民である,ベネズエラでは(4月14日の)選挙後,人権,民主主義,表現・結社の自由の原則が完全に尊重されていないとの報告がある,我々の唯一の関心は,ベネズエラ国民が自らの将来を決定できるのを確保することにある旨発言した。これに対し4日,ベネズエラ外務省は,ベネズエラ政府はオバマ米大統領の上記発言を断固として拒否する旨のコミュニケを発出した。
(2)8日,バイデン米国副大統領は,ベネズエラ政府には表現の自由を確保し,国内の深刻な分裂状況において野党側との対話を開始する責任があるが,それができていない旨発言した。
2.対ペルー関係
3日,ロンカリオロ・ペルー外相は,ペルーは南米諸国連合(UNASUR)諸国に対し,マドゥーロ政権に対して?ェ容とベネズエラ国民同士の対話を要請する旨のコミュニケの発出を検討するよう提案する旨述べた。これに対し同日,マドゥーロ大統領は,他国の外相がベネズエラ側に事前協議することなくこのような見解を述べることは許されない,我々はロンカリオロ外相の発言に対する謝罪をペルー側に要求する旨述べた(14日,ロンカリオロ外相は,健康上の問題を理由に辞任した)。
3.第7回ペトロカリベ+ALBA首脳会合
4−5日,カラカスにおいて第7回ペトロカリベ+ALBA首脳会合が開催され,域内の生産チェーンを形成すべく特別経済圏の創設を目指す,4月14日のベネズエラ大統領再選挙におけるニコラス・マドゥーロの勝利を祝福する等の最終宣言を採択した。また,マドゥーロ大統領は,今回新たにペトロカリベ協定に正式加盟することになったグアテマラ及び再加盟することになったホンジュラスを歓迎する旨述べた。
4.マドゥーロ大統領のメルコスール諸国外遊
(1)7日−8日,ウルグアイを訪問,ムヒカ・ウルグアイ大統領等と会合を行い,食糧,エネルギー,科学技術等分野における計10の合意文書に署名した。
(2)8日−9日,アルゼンチンを訪問,フェルナンデス・アルゼンチン大統領等と会合を行い,エネルギー,科学技術,貿易,食糧,通信,農業等分野における計11の合意文書に署名した。
(3)9日−10日,ブラジルを訪問,ルセフ・ブラジル大統領,ルーラ・ブラジル前大統領等と会合を行った。
5.対中国関係
12日−16日,李源潮中国副主席が当国を訪問,マドゥーロ大統領他閣僚と会合を行い,石油エネルギー,農業,科学技術,インフラ分野における二国間協力の合意文書に署名した。同合意文書の中には,中国輸出入銀行とベネズエラ石油公社(PDVSA)によるブーロン石油化学複合施設の海上ターミナル建設プロジェクトに対する融資契約,テレコム・ベネズエラ社(国営)と中国のファーウェイ社によるベネズエラの電子端末組み立てラインに対する技術支援契約,ベネズエラの農産加工業振興に向けた技術支援と融資,オリノコベルト石油地帯カラボボ鉱区のペトロ・シノベンサ社(中国石油公社(CNPC)とPDVSAの石油開発合弁企業)割当区域における原油生産向上に向けた40億ドルの融資等が含まれる。
6.対ポルトガル関係
20日−21日,ポルタス・ポルトガル外相が当国を訪問,ハウア外相と共に第8回二国間協力合同委員会に出席し,石油,電力エネルギー,科学技術,保健,工業,インフラ,住宅,農業,食糧,観光,文化等分野における7つの合意文書に署名した。
7.対エクアドル関係
24日,マドゥーロ大統領はシリア・フローレス夫人と共にエクアドルを訪問し,エクアドル国会で開催されたラファエル・コレア・エクアドル大統領の就任式に出席した。
8.対コロンビア関係
(1)29日,カプリレス・ミランダ州知事がコロンビアを訪問,サントス・コロンビア大統領,ロイ・バレラス・コロンビア上院議長,アウグスト・ポサダ・サンチェス同国下院議長等と会合を行い,ベネズエラの政治危機の状況について訴えた。
(2)29日,ハウア外相は記者会見を行い,サントス・コロンビア大統領が,ベネズエラ社会の不安定化を目論むカプリレス・ミランダ州知事との会合を受け入れたのは非常に残念である,コロンビア政府とFARCの和平交渉におけるベネズエラのファシリテーターとしての参加を見直す旨発表した。 |