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 ベネズエラ・マンスリー政治情報(平成265月)

 

内 政

(1)反政府活動への外国人の関与

ア 2日,ロドリゲス内務司法大臣は,武器を用いた反政府暴動計画に荷担した容疑で外国人58名を逮捕・収監していると発表した。また,右計画が米国務省の戦略に従ったものであり,ベネズエラ野党関係者も関与している可能性がある旨伝えられた。

イ 8日午前3時頃から,国家警備軍及び国家警察等治安部隊はカラカス首都区チャカオ市ボリバル広場,同市セントロ・プラザ周辺,バルータ市ラス・メルセデス地区及び同市サンタ・フェ地区の合計4か所の道路や広場の学生らのキャンプ(テント)を撤去した。右により243名の逮捕者が出た。同日午後,これに抗議する反政府派学生等と治安部隊との衝突があり,国家警察警察官1名が射殺された。

(2)経済危機対処のための経済閣僚役割分担

 6日,マドゥーロ大統領は,当国経済危機に対処せしめるべく,現経済関連閣僚5名を地域毎に全権を付与し対応にあたらせると発表した。中部をホセ・ダビッド・カベージョ産業大臣,アンデス地域をダンテ・リバス商業大臣,ジャノス地域をイバン・ヒル農業・土地大臣,西部をロドルフォ・マルコ経済・財務・公共銀行大臣,東部をラファエル・ラミーレス石油鉱業大臣がそれぞれ担当することになった。

(3)国会議員による真実探求委員会設立

 7日,与党国会議員のみで構成する真実探求委員会(本年2月12日からの暴力事態に関する調査を実施)を設置した旨,カベージョ国会議長は発表した。右設立に対し,MUDから国会内に設置したこと及びその委員構成が中立性・不偏性を担保できないとし,不満の声が上がり,12日にMUDは,真実探求委員会のためのワーキンググループへの参加を中断する旨表明した。

(4)与野党間対話の延期

 13日,アベレド野党連合MUD代表は,対話開始から1ヶ月が経過しているにもかかわらず成果が出ないことから,15日に予定されていた第4回与野党間対話にMUDは出席しない旨発言し,実際15日の与野党間対話は中止された。18日及び19日,UNASUR外相委員会及びジョルダーノ・バチカン大使と政府関係者及びMUD代表ら別々に会合が行われ,与野党間対話再開のための話し合いを行った。MUD側は,対話凍結に至った経緯,右再開には政府が具体的な行動でその意志を示すこと,及び,与野党両者が参加する真実探求委員会の形成に向けた進展が求められる旨説明した。一連の会合の後,UNASUR外相委員会は,与野党双方に前向きな姿勢が見られると述べた。

(5)サン・クリストバル市長及びサン・ディエゴ市長選挙

 25日,去る2月に反逆罪等により当局に拘束され市長資格を剥奪されたタチラ州サン・クリストバル市長及びカラボボ州サン・ディエゴ市長の後任市長選挙が実施され,サン・クリストバル市では,ダニエル・セバジョス前同市長の夫人でMUD公認のパトリシア・グティエレス候補が当選し,サン・ディエゴ市では,エンソ・サカラノ前同市長の夫人でMUD公認のロサ・ブランドニシオ候補が当選した。

(6)社会ミッション再編

 27日,マドゥーロ大統領が大統領授権法を用いて6月1日より社会ミッションの再編を実施する旨表明。教育,労働,公衆衛生,社会保障,食糧,住居,治安,基礎サービスの各分野に分け,事業の効率化を狙う。

(7)ルシンチ元大統領の逝去

 21日,当地にてハイメ・ルシンチ元大統領(1984年−1989年)が肺感染症により89歳で逝去した。同元大統領は,1958年から1984年まで国会議員,当時の2大政党の1つであるAD党党首を14年連続して務めた。なお,1988年4月国交樹立50周年に国賓として訪日している。

 

外 交

(1)米国・ベネズエラ関係

ア 7日,ケリー米国務長官が米国として深刻な経済的社会的危機に直面するベネズエラの現状を憂慮し,同国における基本的人権の監視をやめることはないと発言したことを受け,ベネズエラ外務省はプレスリリースにて右発言は内政干渉に当たるとして不快感を示した。

イ 8日、米上院外交委員会において、「ベネズエラの政治危機評価:人権侵害とさらなる深刻な状況」と題した公聴会が開催された。右会合では,ベネズエラにおける基本的人権侵害及び与野党間対話で成果が出ていないことに懸念が示されたが,ロベルタ・ジェイコブソン米国務省西半球担当次官補は,ベネズエラ野党の一部メンバーから現時点において米国によるベネズエラに対する経済制裁を回避するよう依頼されたと述べ,米国がベネズエラに経済制裁を科すのは時期尚早であるとの結論に至った旨述べた。右発言を受け,MUDはコミュニケにて,米国政府に対してベネズエラへの制裁を遅らせるように要請したことはないと伝え,14日にジェイコブソン国務次官補は,野党関係者からの制裁回避要請があったとの前言を撤回した。

ウ 9日,米下院外交委員会は,ベネズエラ情勢に関連し,人権侵害に関与した政府関係者等に制裁を科す法案を承認した。

エ 21日,ケリー米国務長官は,訪問中のメキシコにて,マドゥーロ大統領は反対派と誠実に交渉をしていないと述べ,米連邦議会は経済制裁の法制化のために動いていると警告。ミード・メキシコ外相も,ケリー長官との共同記者会見の中,マドゥーロ大統領と野党間の対話が人権を尊重した雰囲気の中で再開されるべきであると促した。

オ 23日,エクアドルで開催されたUNASUR外相会合にて,ハウア外相はベネズエラへの米国による内政干渉について訴えた。右を受け,UNASUR外相はベネズエラにおける民主主義と和平を支持する決議を採択し,UNASURは,国内問題不干渉義務に反し,ベネズエラ政府関係者への制裁を科そうとする米国のイニシアティブを拒否した。本件に関し,24日,マドゥーロ大統領は,UNASURの支援に謝意を表明し,オバマ米大統領に対してUNASURによる制裁不支持の声を聞くよう呼びかけた。また,ハウア外相はマドゥーロ大統領の指示を受けベネズエラ情勢について話し合うUNASUR首脳会合の開催を提案した。

カ 28日,米下院議会において,今年2月来のベネズエラにおける人権侵害に関与したとされる当国政府関係者への制裁法案(注:米国入国禁止及び米国内資産の凍結などを主な内容とする)が可決された。また,同日,ベネズエラ政府は「(ベネズエラ)政府転覆計画」及び「マドゥーロ大統領暗殺計画」に関与したとして,ウィテーカー(Kevin Whitaker)次期駐コロンビア米国大使等,米国政府高官を含む数名を列挙し,右計画への関与の証拠(電子メールのやりとり等)を公表した。

キ 駐米ベネズエラ大使館臨時代理大使の任命
 29日,マドゥーロ大統領は去る2月,米国に対し駐米大使に任命すると提案したマクシミリアン・サンチェス・アルベラエス(
Maximilian Sanchez Arvelaez)元駐ブラジル大使を駐米大使館臨時代理大使として新たに任命し,米国との関係改善を望む旨述べた。

(2)ハウア外相の諸国歴訪

ア 非同盟諸国外相会議(アルジェリア)
 28日,ハウア外相はアルジェリアで開催された第17回非同盟諸国外相会議に出席した。右会議にて,ハウア外相はベネズエラの独立性,参加型民主主義,持続可能で包括的な発展,主権,社会主義構築を妨げる米国による内政干渉を非難した。右会議に出席した各国外相からは,ベネズエラにおける暴力行為を真に憂慮する旨表明されるとともに,ベネズエラに対する米国による制裁適用の可能性及び内政干渉への反発の意が示された(注:2015年には当国が非同盟諸国首脳会議主催国となる予定)。なお,同日右会議において,ベネズエラは今年10月に行われる2015−16年国連非常任理事国選挙に立候補する旨表明し,右選挙にカリブ・ラテンアメリカ地域から立候補するのはベネズエラのみであると付け加えた。また,ハウア外相は,モラレス・ボリビア大統領と会談した。同会談では,国際協力,及びベネズエラをはじめとするラテンアメリカ各国への米国の内政干渉について意見交換が行われた。

イ ロシア
 29日,ハウア外相は,モスクワにてラブロフ露外相と会談し,二国間協力関係等について話し合うと共に,ウクライナ,シリア情勢,及びベネズエラ情勢について協議した。両外相は,両国が国際法の原則遵守,内政問題不干渉,他国問題への不介入,一方的制裁メカニズム拒絶の姿勢を明らかにした。
 30日,ハウア外相及びデニス・マントゥロフ露工業商務相主催により第10回ベネズエラ・ロシア政府間ハイレベル委員会会合が開催され,両国間の戦略的関係構築のため,政治,経済,通商,工業,エネルギー,軍事を含む双方の関心事項が話し合われた。

ウ ポルトガル
 31日,ハウア外相はパウロ・ポルタス・ポルトガル副首相と会談し,農産業,住居,食糧,保健,インフラ,電気等の分野における二国間協力合意を見直し,また両国関心事項について意見交換を行った。両国政府代表団は,次期ポルトガル・ベネズエラ・フォローアップ委員会にて話し合われる新規プロジェクト構築などに関して意見交換を行った。なお,6月下旬にポルタス・ポルトガル副首相は当地訪問を予定している。

エ ハイチ
 8日,ハウア外相は,ペトロカリベの枠組みで主に農業分野での協力関係強化のためハイチを訪問し農業振興のためトラクターをはじめとした資材供与等を行った。右供与式にはマルテリー・ハイチ大統領も出席し,マドゥーロ大統領への謝意が示された。また,マルテリー大統領は,ベネズエラにおける民主主義の原則に則った全ての対話プロセスを支持すると述べた。マドゥーロ大統領が潘基文国連事務総長と会談した際にコレラ撲滅のためハイチに協力するよう要請をされたことを受け,今次ハイチ訪問に保健省コレラ対策専門家が同行。

(3)ベネズエラ・パナマ関係

 4日,マドゥーロ大統領は大統領選挙に勝利したバレーラ次期パナマ大統領に対し架電にて祝意を表明した。右電話会談において,マドゥーロ大統領は両者が外相であった頃の良好な関係に触れつつ,3月にパナマ政府による内政干渉を原因として凍結した両国外交・通商・協力関係の正常化及び改善に向け取り組む意志があることを表明した。

(4)エルサルバドル次期大統領の当地訪問

 2日,マドゥーロ大統領(アレアサ副大統領,ハウア外相ら同行)は,当地を訪問したサンチェス・セレン次期エルサルバドル大統領と共にシモン・ボリバル霊廟を参拝し献花を行った。また,両氏は,チャベス前大統領に敬意を表する参拝を行った。

(5)コスタリカ大統領就任式

 9日,アレアサ副大統領がサン・ホセにて執り行われたコスタリカ大統領就任式に出席した。

(6)パレスチナ自治政府大統領兼パレスチナ立法評議会議長の当国訪問

 15−16日,マフム−ド・アッバース・パレスチナ自治政府大統領兼パレスチナ立法評議会議長が当国を訪問し,マドゥーロ大統領等とエネルギー及びパレスチナ医学生留学受け入れをはじめとした保健分野の協力,ベネズエラからの原油提供等について協議し,PDVSAとパレスチナ政府の連帯強化のためにペトロパレスチナを設立することで合意した。また,マドゥーロ大統領は,パレスチナ政府の独立に向け必要なあらゆる支援を行う用意がある旨表明しつつ,パレスチナ政府のUNASUR,ALBA,及びCELACへのオブザーバー・ステータス取得要請を支援することを約束した。

(7)ブルキナファソ外務・域内協力大臣の当国訪問

 14−15日,バソレ・ブルキナファソ外務・域内協力大臣が当国を訪問し,ハウア外相と会談。エネルギー,農業,経済,社会,文化,環境,保健・科学・教育分野に関する合意に署名すると共に,両国間で外交旅券及び公用旅券所持者に対して90日以内の滞在及びトランジットに限り査証取得を免除する取決めに署名した。同会談後,ハウア外相は,ベネズエラがブルキナファソに対し燃料販売,ブルキナファソ人医療従事者の育成・研修事業展開の可能性を模索している旨述べた。

(8)メルコスール首脳会合開催の見込み

 26日,ハウア外相は記者会見において,ベネズエラが議長国として第46回メルコスール首脳会合を開催し,議長国をアルゼンチンへ交代させる用意があると述べた。同外相は,本来半年毎に開催されるべきメルコスール首脳会合が客年12月17日以降3度にわたり延期され開催されていないのは,加盟各国大統領の予定調整ができなかったためと説明。

 

 

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