(1)閣僚人事等
ア 17日,マドゥーロ大統領は,企画大臣,大学教育大臣,空輸海運大臣,食糧大臣の閣僚交替を発表。特に,ジョルダーニ企画大臣が実質的に更迭され,全ての政府要職を解かれたことは注目される。また,同元企画大臣を擁護する姿勢を示したエクトル・ナバロPSUV執行部委員(元電力大臣)が党内にて除名審議にかけられることになり,党内でもPSUVの対応に反発する声が聞かれる。
【新旧閣僚名】
●企画大臣
旧:ホルヘ・ジョルダーニ
新:リカルド・メネンデス
●大学教育大臣
旧:リカルド・メネンデス
新:ジェイソン・グスマン
●空輸海運大臣
旧:ヘベルト・ガルシア・プラサ
新:ルイス・グラテロル・カラバージョ
●食糧大臣
旧:フェリックス・オソリオ
新:ヘベルト・ガルシア・プラサ
(注:メネンデス新企画大臣は,今次新たに設置された企画・土地開発担当副大統領職を兼務する。)
イ 2日付官報は,社会経済の権利保護国家監督局(SUNDDE)局長にダンテ・ラファエル・リバス・キハーダ(Dante
Rafael Rivas Quijada)商業大臣を任命・兼任させる旨公布。
(2)軍関係
ア 24日,当国最高裁憲法法廷は,軍人が全ての政党の政治活動(集会及びデモ等)に参加することを正当と認める判決を下した。
イ 26日,官報にて「暴力集団対策特別部隊(BEGV)」の設立が公表された。この組織は,暴力活動を取り締まるために,国家治安関連組織の情報及び作戦を取りまとめることを目的としている。
ウ 3月15日にメレンデス国防大臣を含む軍関係者が政府与党を支持する主張を行いつつデモ活動を行ったことに対し,暫定措置を求める訴えが起こされていたが,6月23日,最高裁は,軍関係者の政治活動への参加は,職務からの逸脱行為には当たらず,寧ろ民主的政治参加の砦であるとして,訴えを退けた。
(3)当国与野党関係
ア 2日からの審議の結果,5日,放火,公共財破損,扇動の罪などを理由にレオポルド・ロペス大衆意志党党首の拘留を続け法廷での審議を行うかについての予審が終了し,拘留継続及び法廷での審議実施が確定。第一審は7月23日を予定。
イ 国家転覆計画及びマドゥーロ大統領暗殺計画に関する調査を理由に,当国政府は,アリア元国連大使,ブレリ元PDVSA国際部長,コエスリング弁護士の逮捕をインターポールに要請。また,本件参考人として16日には検察がマチャド元国会議員を召喚し,7時間以上にわたって審問。同元議員に対して,18日,裁判所は出国禁止命令を発出。
ウ 3日,国会は,国家転覆計画及び大統領暗殺計画の調査を可能とする合意書を承認。
エ インスルサOAS事務総長やUNASUR外相委員会などの仲介にもかかわらず,与野党間対話は中断したままであり,マドゥーロ大統領はMUD代表らが同対話を打ち切った張本人であるとして非難。
オ 12日,セバジョス前サン・クリストバル市長の反逆・扇動罪に関する予審が予定されていたが,7月8日に延期された。
(4)ラミーレス経済担当副大統領によるロンドンにおけるロードショー
13日,50余りの機関投資家が出席した民間企業主催の会合に出席したラミーレス経済担当副大統領は,近い将来当国為替レートを統一化する意向を表明し,現在の1米ドル=6.3ボリバルのレートはボリバルが過大評価されており,SICAD1(1米ドル=約10ボリバル)及びSICAD2(1米ドル=約50ボリバル)のスキームを以て本為替レートを補完する必要性があると述べた。
(5)大規模停電
27日午後3時頃,サン・ヘロニモ変電所(グアリコ州)−ラ・アレノサ変電所(カラボボ州)間の送電線に過負荷がかかり,数か所の発電所の機能が停止したため大規模な停電がおよそ3時間にわたり発生し,当国の60%の地域に影響。
(6)ベラスケス元大統領死去
24日,当地にてラモン・ホセ・ベラスケス元大統領(1993年−1994年)が97歳で逝去。 |