ベネズエラ大統領就任式(与野党によるデモに対する安全対策)

令和7年1月6日
◎1月10日、ベネズエラでは大統領就任式が開催される予定です。同式典に向けて与野党がデモ活動を呼びかけており、この週末から全国各地で軍や治安当局による検問等が増加し緊張が高まっています。
 
◎与党側は、1月2日から2月4日までの期間、マドゥーロ大統領の就任を祝う街宣活動を呼びかけています。
 
◎野党指導者のマリア・コリナ・マチャド氏やエドゥムンド・ゴンサレス野党大統領候補は、1月10日に向けて全国的な街頭デモを呼びかけているほか、ゴンサレス候補は大統領就任宣誓のためにベネズエラに帰国する旨の意志を表明しています。
 
◎昨年7月の大統領選挙後に実施された抗議デモでは、一部で死傷者が発生しています。
 
◎平和的な集会等でも事態は急変する可能性がありますので、不測の事態に巻き込まれないよう、大統領就任式前後は主要な公的施設や幹線道路には近づかず、自らの安全確保に努めてください。
 
本文
1 1月10日にベネズエラでは大統領就任式が開催される予定です。ベネズエラ憲法によれば、大統領就任式は国会乃至最高裁で開催されます。この為、これら公的機関のほか、大統領府が所在するリベルタドール市内およびその周辺では警戒が強化されています。
 与党側は、1月2日から2月4日までの期間、マドゥーロ大統領の就任を祝うためにカラカス市内の主要道での動員を呼びかけていますが、これまでのところ具体的な場所や時間は発表されていません。

2 一方、野党側は、野党指導者のマリア・コリナ・マチャド氏が、1月9日に全国的な街頭デモを率いると発表していますが、詳細な場所や時間は明らかにされていません。
 また、エドゥムンド・ゴンサレス野党側大統領候補が大統領就任宣誓のためにベネズエラに帰国する意向を表明しています。
 軍や治安当局は、マチャド氏及びゴンサレス候補を逮捕するべく、全国各地で検問を強化しており緊張が高まっています。また、仮に両者が逮捕される場合には、野党側の街頭デモが過激化する可能性もあります。
 
3 昨年7月の大統領選挙直後に実施された抗議デモでは、治安当局とデモの衝突等により、一部で死傷者や2000名以上に及ぶ多数の逮捕者が発生しています。平和的な集会等でも事態が急変し、群衆の暴徒化や治安当局等との衝突に発展する可能性は否定できません。

4 ついては、不測の事態に巻き込まれないよう、報道等により最新情報を入手し、以下のような安全対策を心掛け、自らの安全確保に努めてください。
(1)主要な公的機関や幹線道路、集会やデモ行進が行われている場所には近づかない。集会等に遭遇した場合、速やかにその場から離れる。
(2)集会やデモ行進により道路閉鎖や交通渋滞が発生する可能性があるので、外出の際は、普段よりも余裕を持った行動を心掛け、周囲の状況に十分注意・警戒する。