1.FARC人質解放問題
(1)1日夜、コロンビアの民放Noticias Uno局が公開したコミュニケによると、FARCは元コロンビア国会議員のグロリア・ポランコ・デ・ロサダ、ルイス・エラディオ・ペレス及びオルランド・ベルトランの3名を解放すると発表した。同ニュースに基づき、解放予定の人質家族12名が、4日、ベネズエラに到着した。
(2)9日、チャベス大統領はバリーナス州庁舎において、先般FARCが解放を発表したコロンビア国会議員人質3名の家族と会談した。会談においてチャベス大統領は、人質の健康状態は良好であるとしつつ、ロドリゲス・チャシン内務司法大臣を本件調整役に指名したと述べた。
(3)アラウッホ・コロンビア外相は、17日、マドゥーロ外相がマリン駐ベネズエラ・コロンビア大使と会談し、コロンビアにおいて米国政府関係者がベネズエラを経由した麻薬取引が増加していると述べたことに困惑していると伝えた旨発言した。
15日、ブラウンフィールド駐コロンビア米大使が、ベネズエラを通過する麻薬が年間20〜30トンだったものが200トン〜300トンに増加したと発言したのを受け、同日、ベネズエラ外務省は、同大使及びウォルターズ米麻薬取締局(ONDCP)長官の発言(チャベス大統領を「コカイン取引のファシリテーター」と称した)を拒絶する旨のコミュニケを発出した。
(4)20日、チャベス大統領は大統領府に於いてクシュネール・フランス外務大臣と2時間にわたって会談を行った。同外相は会談後、チャベス大統領が自身に対し、先般FARCが解放を約束したコロンビア元国会議員の人質3名に加え、更にもう1名が解放されることを認めた、と述べた。同外相は、人質解放については今後、チャベス大統領から発表されるだろうと述べ、右1名も元国会議員であることを示唆したが、詳細は明らかにされず、また解放が数日後か数週間後かは誰も知らないと述べた。
(5)25日、チャシン内務司法大臣は記者会見を開き、FARCが解放を約束した元国会議員の人質4名の居場所を入手しており、コロンビア政府がベネズエラ側関係者の入国を承認するならば、27日にも人質が解放される、と述べた。
(6)27日午前7時20分、人質4名の確保のため、ヘリコプター2機が当国タチラ州の飛行場からコロンビア南部に向けて飛び立った。ヘリコプターには、チャシン内務司法大臣、同日未明にベネズエラに到着したコルドバ・コロンビア上院議員の他、国際赤十字委員会メンバー及び医師が同乗した。
同日12時30分頃、両国関係当局は人質4名(グロリア・ポランコ、オーランド・ベルトラン、ルイス・エラディオ・ペレス、ホルヘ・エドワルド・ヘーチェン)が解放され、また4名が移動できる健康状態にあることを確認した。
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