1.対ラ米諸国関係
(1)対ペルー関係
(イ)チャベス大統領主導のALBAに関連するとみなされる事務所が、ペルー国内でベネズエラ政府による内政干渉であるとの批判を受けている。しかしながら、ALBAの責任者でもあるサンス基礎産業・鉱業大臣は、5日、ベネズエラ政府がこれらの事務所に資金援助を行っている事実を否定した。サンス大臣は、ペルーにおけるALBA事務所の設置は同国地方政府による個別のイニシアティブに基づくもので、ベネズエラ政府はいかなる指示も出していないと発言した。また各地方首長が、ALBAの機能やメリットを地域住民に教示するために事務所を開設しているとし、内政干渉を否定した。
(ロ)ペルーのエル・エスプレソ紙によると、ALBA事務所は、プーノ地区以外にも、クスコ、アヤクーチョ、ランバイェケ、サン・マルティンその他の地域にも開設が続いている。これに対し、ペルー議会は同事務所調査に向けた超党派の委員会を設置している。
サンス大臣は、これら事務所開設は地方自治体や地元の社会運動団体の自由意志によるものであり、禁ずることも出来ないと述べた。
(2)対ブラジル関係
(イ)14日、当国を訪問したジョビン・ブラジル国防相は、チャベス大統領と会談し、南米防衛評議会(Consejo
Suramericano de Defensa)創設につき協議した。ジョビン大臣は同大統領との会談後、右評議会創設に向けた第一歩は、加盟国に武器を供給する南米軍事工場建設に向けた人材養成であると発言した。
(ロ)ジョビン大臣は、4ヶ月後には加盟国参加の総会を開催し、年内にも評議会が創設される予定であると述べた。また、昨年4月16日にベネズエラで開催された第一回南米エネルギー・サミットの際にチャベス大統領が提案した南米防衛評議会創設が、コロンビア国軍のエクアドル領侵攻を契機にルーラ大統領によって再提起されたと発言した。
(3)対エクアドル関係
(イ)18日、エクアドルを訪問したマドゥーロ外相は、サルバドル同国外務大臣と会談し、右会談に於いて食糧主権及び安全保障に関する協力合意に署名したことを明らかにした。この合意により、両国間の食糧取引の容易化及び同分野における各種協力プログラムの実施が予定される他、食糧の需要及び供給についての情報交換の実施が見込まれている。
(ロ)マドゥーロ外相はコレア大統領とも会談し、両者は両国が共同で生産及び商業化できる72品目を強調した。マドゥーロ外相によれば、ベネズエラは今後エクアドルから米、牛乳といった食品につき大量購入を行う予定である。
(ハ)また、今次合意フォローアップのための常設協議委員会が両国外務省間で設置され、両国間の食糧生産及び消費バランスの評価、食品供給のための商業化ルートの建設等を行うことが予定される。
(4)対パラグアイ関係
(イ)20日付政府コミュニケによると、チャベス大統領はフェルナンド・ルゴ・パラグアイ大統領候補の勝利を知るやいなや、新たに選出された大統領に祝意を表明するため連絡をとった。両者は友好的な会談を行ったが、この中でチャベス大統領は、20日が民主的な一日であったことを認め、右はパラグアイ国民が政治的に成熟したことを示すものだとした。
(ロ)またチャベス大統領はルゴ候補に対し、自身はフランシスコ・ソラノ・ロペス氏の子孫であるパラグアイ国民の英雄的歴史に尊敬の念を抱いていると述べた他、両者は、国民の闘いの歴史を基盤とし、南米共同体(UNASUR)の建設を継続していく必要性があるとの点で合致した。
(ハ)両首脳は、両国間の協力計画及び補完性について話し合うため、早期に会談したい意向を表明した。チャベス大統領はルゴ候補に対し、両国民が発展を分かち合えるように協力していくつもりであることを確認した。
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