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  ベネズエラ・マンスリー政治情報(平成20年 5月)

 

     


   

政 治 概 況

1.内  政

(1)10日、ベネズエラ統一社会党(PSUV)は党大会を開き、11月に実施予定の地方選挙に向けた同党内部での候補者選出方法につき、6月1日に約560万人とも言われる全ての党員参加の下、予備選挙が実施されると発表した。

(2)5月1日のメーデーの機会に、政府関連機関・企業等の労働者は、4月30日にチャベス大統領によって発表された最低賃金の30%アップ改訂を支持するデモ行進をカラカス中心部で行った。

(3)8日、国会は、検事総長に対し、スリア州において新時代党(UNT)の支援により「スリアの進むべき道」が進める分離主義の度合い、及び右イニシアティブとスリア州議会の関係について調査するため、特別検事の任命を求めることで合意した。

2.外  交

(1)16日、チャベス大統領は、ペルーで開催された第4回EU中南米カリブ首脳会議に出席した。3月のコロンビア国軍のエクアドル領侵入もあり、「ラ米の唯一の問題はコロンビア政府」と述べ、ウリベ大統領を「ラ米の分断を触れ回る者」と批判した。

(2)15日、インターポールは、レジェスFARC幹部所有とされるコンピューターがFARCの所持品であり、またコロンビア政府が右内容を改竄、消去、または追記した証拠はないと発表した。これに対し、チャベス大統領は、右調査結果を「ピエロの見せ物であり、時間を費やす価値はない」と批判した。

(3)17日夜に米軍機がベネズエラ領空を侵害したとされる件につき、20日、マドゥーロ外相は、ダディー駐ベネズエラ米国大使を招致し、米軍機のベネズエラ領空侵害に関する事情説明を求めるとともに、同様の侵害が繰り返されないようにとの抗議文書を手渡した。

             

内 政

1.2008年地方選挙

(1)8日、バドゥエル前国防相は、チャベス大統領が人気回復期間を確保するために、2004年8月実施の大統領罷免国民投票時のように、11月実施予定の地方選挙延期を試みようとしていると批判した。同前国防相は、憲法改正国民投票が発表以上の差で敗北したこと、大統領の人気低迷、コロンビアとの紛争勃発を試みたが失敗したこと等が右延期の要因であると発言した。

 バドゥエル前国防相は、国内問題の唯一の解決方法は制憲議会の召集であると述べ、自らも議員として参加する意向を示した。同時に、11月の地方選挙については、社会民主主義党(Podemos)からの立候補の可能性を示唆した。

(2)10日、ベネズエラ統一社会党(PSUV)は党大会を開き、11月に実施予定の地方選挙に向けた同党内部での候補者選出方法を決定した。右決定によると、立候補を希望する党員は、5月12日〜14日にインターネットや各自治体のボリーバル広場で登録を行い、同18日〜30日の間に自己の政策などにつき発表し、そして6月1日に約560万人とも言われる全ての党員(希望者)参加の下、予備選挙が実施される(予定通り実施された)。

(3)19日、アルフレド・オソリオ新時代党(UNT)スリア支部長は、同党所属のロサレス・スリア州知事が同州州都のマラカイボ市長職に立候補すると正式に発表した。オソリオ支部長は、今次立候補がAlfredo Keller、Freddy Rincon、Felix Seijas等といった世論調査機関による調査結果に基づき決定したと発言した。またUNTは、スリア州知事候補に同党幹部のパブロ・ペレス氏を擁立する意向を示している。

                  

 

       

2.メーデー関連行事

(1)5月1日のメーデーの機会に、政府関連機関・企業等の労働者は、30日にチャベス大統領によって発表された最低賃金の30%アップ改訂を支持するデモ行進をカラカス中心部で行った。赤シャツに身を包んだチャベス大統領支持者の中には、「帝国主義の攻撃に対抗する」等といったプラカードも見られた。行進に参加したベネズエラ統一社会党(PSUV)のトレアルバ国会議員は、チャベス政権が労働者階級を擁護するような政策を行っていると評価した。

(2)同日、反政府系労組、政党、市民組織等はチャベス政権の労働政策、教育カリキュラムの改訂等に反対するデモ行進をカラカス中心部にある国会に向けて実施した。ベネズエラ労働者評議会(CTV)のコバ議長は、国会を通じて全ての労組が対話を行えるような対話テーブルの設置に関する報告書をモリナ、ヒメネス両議員(ともに野党・社会民主主義党(Podemos))に提出した。11月に実施予定の地方選挙に立候補予定の各候補者はデモ行進の機会を自己の宣伝のための好機として利用した。

  

 

   

3.スリア州の分離主義運動に対する国会非難

(1)8日、国会は、検事総長に対し、スリア州において新時代党(UNT)の支援により「スリアの進むべき道(Rumbo Propio para el Zuila)」が進める分離主義の度合い、及び右イニシアティブとスリア州議会の関係について調査するため、特別検事の任命を求めることで合意した。本議題を提示したマリオ・イセア議員(PSUV)は、ロサレス・スリア州知事の「カウディージョ(頭領)」主義を指摘しつつ、サンタクルス(ボリビア)における県民投票結果は、棄権率の高さから無効であると批判した。また、ボリビアの内政問題、コロンビア軍のエクアドル領侵攻、エクソン・モービル社による提訴、ゴイコチェア学生運動リーダーに対するミルトン・フリードマン賞の授与等、一連の動きはラ米を分断しようとする計画の一部であると批判した。

(2)これに対し、ガルシアPODEMOS党首は、いかなる分離の動きも認めないとしつつ、本件は国内問題から注目をそらそうとするものだとして、党として賛成票を投じなかった。

 同日、ロサレス・スリア州知事(UNT)は同州で分離計画を準備していることを否定し、チャベス大統領は国内問題を解決できない無能さを隠すために批判を展開しているとして非難した。

 

 

 

外 交

     

1.チャベス大統領の外遊

(1)チャベス大統領の第4回EU中南米カリブ首脳会議出席

(イ)16日、チャベス大統領は、ペルーで開催された第4回EU中南米カリブ首脳会議に出席した。3月にコロンビア国軍がエクアドル領に侵入して以来の域内の緊張関係が今回の会議にそのまま持ち込まれた。会議では他国首脳の批判を回避するようにとの呼びかけがあったにもかかわらず、チャベス大統領は、「ラ米の唯一の問題はコロンビア政府」と述べ、ウリベ大統領を「ラ米の分断を触れ回る者(el pregonero de la desunion)」と批判した。またコレア・エクアドル大統領も、「コロンビアがエクアドルに対する誹謗中傷を繰り返すため二国間関係は更に悪化した」とのウリベ大統領批判を展開した。

 これに対しウリベ大統領は、エクアドル及びベネズエラとは何ら問題を抱えていないと述べ、両国に対して愛着と敬意を持っていると発言したが、テロリストを匿うことだけは止めて欲しいと要請した。

(ロ)チャベス大統領は、首脳会談の席でメルケル独首相に歩み寄り挨拶を交わすとともに、自身による同首相批判についても謝罪した。同大統領は、メルケル首相から独訪問の招待を受けたと発言したが、後に独政府は右招待が通訳の間違いによるハプニングであったと説明し、招待はなかったと訂正した(本件詳細は5.(1)を参照)。

またチャベス大統領は、サパテロ西首相にも挨拶し、同首相を通じて、フアン・カルロス西国王にも挨拶を託した。チャベス大統領は、両者の会談が誠意のこもったもので、両国間の関係改善に向けた第一歩と評価した。

(2)チャベス大統領の南米諸国連合首脳会合出席

(イ)23日、南米12カ国の首脳は南米諸国連合(UNASUR)設立条約に署名した。右条約はその目的を「政治対話を強化し、域内統合強化の場を作ること」としており、今後、各国の国会で承認される必要がある。

(ロ)会合では、ルーラ伯大統領が地域の連合が重要であると呼びかけ、コロンビア、エクアドル及びベネズエラに対し、各国間の相違についてトーンを下げ、対話を行うよう呼びかけた。また、議長国を引き継いだバチェレ・チリ大統領は、新たなメカニズムが域内統合のための道具となるよう他国に協力を求めた。

(ハ)チャベス大統領は今次会合について、米帝国は南米で戦争を起こし、統合計画を中止させようとしており、今次計画の最大の敵であるとして批判した。また、南米統合計画については前向きな姿勢を示し、「我々は皆左派政権であり、南米全土の統合を活発化することで合意した」と述べた。

(ニ)なお、チャベス大統領はUNASUR首脳会合の場に於いて、ウリベ・コロンビア大統領と握手し、両国間の信頼回復及び協力を再開したい旨伝えたことを明らかにし、コロンビア政府側も右を確認した。

         

              

2.対ラ米諸国関係

(1)対コロンビア関係

(イ)9日、サントス・コロンビア国防大臣がベネズエラ領内に「イバン・マルケスFARCメンバーが滞在しており、右をベネズエラ政府に通知しているものの何ら対応がなされない」と発言したことに関し、10日、マドゥーロ外相は、この発言はチャベス大統領を破滅させ、コロンビア国内問題を曖昧にさせるものだとし、右はコロンビア政府の正式な立場を示すものか明らかにするよう同国防大臣に求めた。またインターポールが発表予定の証拠品調査結果については、「メディアによる劇が続くだろう」と述べた。

(ロ)11日、チャベス大統領は対コロンビア関係について、経済関係の維持は構わないが、コロンビアとの良好な関係を再構築することは困難であり、ウリベ大統領との個人的関係を築く理由はないと述べ、ウリベ大統領を批判した。また、ウリベ大統領は対ベネズエラ戦争を引き起こしかねないとし、その場合はスリア州及びタチラ州から開始するだろうと述べ、国軍に対して警戒するよう指示した。

(ハ)14日、士官学校で講演を行ったチャベス大統領は、コロンビア領グアヒラが元々はベネズエラの領土であったとし、米軍が同地区に基地を設置することを受け容れられないと述べるとともに、仮に設置されるようなことがあれば、ベネズエラへの攻撃と理解すると発言した。併せて同大統領は、米軍基地がグアヒラに設置されるようなことがあれば、コロンビアとの間に古くからある領土問題が再燃する可能性もあるとした。

 チャベス大統領の今次発言は、エクアドルと米国間の協定が来年にも失効し、エクアドル領マンタにある米軍基地のグアヒラへの移転をウリベ大統領が容認するとの憶測が流れたことによるもの。12日付のコロンビア日刊紙によるインタビューで、ブラウンフィールド駐コロンビア米国大使は、米国政府が右移転を否定しない旨発言したが、14日、サントス・コロンビア国防相は、基地移転を否定している。

(ニ)15日、チャベス大統領による上記発言に対し、アラウッホ・コロンビア外相は、両国間の領土は条約により完全に確定されており、グアヒラにおけるコロンビアの主権は議論の余地がないと応じた。

(ホ)15日、インターポールは調査を実施したコンピューターがFARCの所持品であり、またコロンビア政府が右内容を改竄、消去、または追記した証拠はないことを確認した。ノブレ・インターポール事務総長は今回の報告書は公のものであるが、右を公開するか否かはコロンビア政府の判断であるとした。

 同日、チャベス大統領は3時間に及ぶ記者会見を開催し、この中で1時間半にわたり、インターポールによる報告書の発表を「ピエロの見せ物であり、時間を費やす価値はない」とし、コロンビア国民への尊重を欠くものだと批判した。

 また対コロンビア関係については、ウリベ大統領がリオ・グループ首脳会談においてエクアドルとの間で達した合意を踏みにじっているとして非難し、対コロンビア関係について外交及び経済両面から再度見直す必要があり、コロンビア企業に対して外貨割り当てを行わない可能性に言及した。

(2)対チリ関係

(イ)16日、チリ外務省は、「アルトゥロ・エレラ・チリ警察長官が、1973年のクーデター以降、ピノチェット政権反対派に対する人権侵害に加担していた」とのチャベス大統領発言に対し、ウルバネハ駐チリ・ベネズエラ大使を呼び抗議文書を提出した。

 ウルバネハ大使は、バチェレ大統領の勅命を受けたマキエイラ・チリ外務省局長代理より上記チャベス大統領発言が「事実無根」であるとの抗議文書を受領した。チリでの報道によると、バチェレ大統領は今次チャベス大統領発言に強い不快感を示した。

(ロ)22日、フォックスレイ・チリ外相は、本件につきベネズエラと和解する旨発言した。同外相によると、ベネズエラ政府より「チャベス大統領発言が事実とは異なる」ことを認識する旨の連絡があると同時に、本件に関する和解の要請を受けた。

(3)対ペルー関係

(イ)16日、ペルーで開催された第4回EU中南米カリブ首脳会議に出席したチャベス大統領は、MRTAをテロ組織に位置づけるようEUに対して要請するペルー政府を「大袈裟」であると評した(欧州議会は4月25日、MRTAをテロ組織リストに記載するようにとのガルシア大統領の要請を棄却している)。

 またMRTAとのつながりが指摘されているALBA事務所に対する資金援助を否定するとともに、根拠の無いスキャンダルであると評した。チャベス大統領にとって、1996年に起きたMRTAによる日本大使公邸占拠事件は過去の出来事である。

(ロ)これに対し、ガルシア・ベラウンデ・ペルー外相はPeru 21紙に対し、チャベス大統領の上記発言を「誤った見解」であると拒絶するとともに、このような見解に耳を貸すべきでないと訴えた。同外相は、MRTAの脅威に直面したことのないチャベス大統領及びベネズエラが、他国の内政に干渉するべきではないと発言したフローレス・アラオス国防相に賛同した。

(4)対ボリビア関係

(イ)22日、モラレス大統領は、ブラジルで開催されるUNASUR首脳会合に向かう途上、ベネズエラに立ち寄り、大統領府に於いてチャベス大統領と会談した。右会談では、両首脳間で二国間の軍事協力に関する了解覚書が署名され、同席した両国国防大臣もこれに署名した。

(ロ)チャベス大統領は、今次合意に含まれる技術・軍事交流には、訓練、人材育成、ロジスティックといった分野が含まれるほか、ボリビアにおける海軍学校創設に対し、ベネズエラから助言を行うことも含まれていると述べた。

(ハ)これに対してモラレス大統領は、ボリビアが独自の軍事教義の確立を決定し、国軍が知能・技術両面における準備を必要とする中で、ベネズエラとの軍事協力は重要であることを強調した。なお、同大統領はベネズエラ来訪前にキューバを訪問し、フィデル・カストロ前国家評議会議長に会ったことを明らかにし、カストロ前議長は「痩せてはいたが、いつものように聡明」であり、チャベス大統領によろしく言っていたと述べた。また、UNASUR首脳会合については、欠席が見込まれるペルー及びウルグアイ両国首脳に対し、議長国として出席を呼びかけた。

   

       

3.食糧安全保障に関する首脳会合

(1)7日、ニカラグアで開催された食糧安全保障に関する首脳会合に、エリアス・ハウア農業・土地大臣及びマドゥーロ外務大臣を中心とするベネズエラ代表団が出席した。ハウア大臣は、世界的な食糧危機に対応するために、域内での食糧生産向上に向けたプランを策定する必要性を主張した。同大臣によると、右プランは、肥料供給、種子の生産、種蒔きの機械化、代替燃料用ではなく人間生活のための農業生産という4つの概念より成る。

(2)コレア・エクアドル大統領は、食糧危機は技術的問題や資源の不足によるものではなく、富の不平等な分配に起因する政治的問題であると述べるとともに、市場の規制にその解決を求め、巨大な資本主義国は今や社会主義型の計画経済の合理性を認めるべきであると発言した。一方、オルテガ・ニカラグア大統領は、食糧が商売の対象となっている現状を批判した。またモラレス・ボリビア大統領は、資本主義を死と同義と批判した。

(3)これに対し、コスタリカやエルサルバドルは、最終宣言に政治的概念を包含することに拒否を示し、同宣言には加わらなかった。メキシコで5月末にも本件に関する議論が継続される予定であるが、その際は技術的な側面に限定される。結局最終宣言は読み上げられることもなく、報道機関に配布されることもなかった。これに対し、マドゥーロ外相は、ALBA銀行を通じてベネズエラが1億ドルを域内農業促進のために拠出すると発表した。

    

           

4.米軍のベネズエラ領空侵入問題

(1)19日、ブリセニョ国防大臣は記者会見に於いて、17日夜に米軍機がベネズエラ領空(ラ・オルチラ島及びアベス島上空)を侵害したと述べた。同国防大臣は、戦闘機が領空を飛行する場合は承認が必要であり、今回の領空侵入は米国が意図的に行ったもので、ベネズエラを巻き込もうとする一連の挑発行為の一部であると考えていると述べた。

 これに対し米国政府はコミュニケを通じ、米軍の飛行機(S-3Vinking)がベネズエラ領空に侵入したことを認めた。コミュニケは、同機が麻薬取締オペレーションに従事していたところ飛行目標を見失い、ベネズエラ領空に侵入したことを認めると共に、同機が国際領空に戻るためのベネズエラ管制側からの支援に感謝していると述べ、本件について調査を行う予定であるとしている。またマコーマック報道官も、ベネズエラの主権を尊重しているとし、本件について調査の上、ベネズエラ側に回答するつもりであると述べた。

(2)20日、マドゥーロ外相は、ダディー駐ベネズエラ米国大使を招致し、米軍機のベネズエラ領空侵害に関する事情説明を求めるとともに、同様の侵害が繰り返さないようにとの抗議文書を手渡した。ダディー大使は、今次領空侵害がナビゲート・システムの問題に起因するとの米国政府の説明を反復するとともに、謝罪の意を表明した。これに対しマドゥーロ外相は、右説明に納得がいかないと述べるとともに、コロンビア政府がインターポールに提出したコンピューターに関して、米国政府サイドに著しい情報操作が存在すると批判した。

(3)21日、チャベス大統領は、同地点は民間航空機さえもが通過を禁じられており、米軍はベネズエラに対するスパイ活動を行っていると述べた。同大統領は、右米軍機が領空から去ったからよかったものの、そうでなければ、ベネズエラの主権保護のためロシアから購入したSukhoi機が出動していたと発言した。

    

       

5.その他の諸国関係

(1)対独関係

 11日、チャベス大統領は、メルケル独首相を「ヒットラー支持者同様の右翼である」等と批判した。これに対して12日、バロッソ欧州委員会委員長は、攻撃的な演説ではなく、自由、民主主義、人権の尊重に基づいてこそ、欧州とラ米諸国との友好関係は樹立可能であると、メルケル首相を擁護する発言を行った。
 本件の発端は、独Der Spiegel紙に掲載された、「ある一国のみがEUとラ米の関係を変化させることはできない。チャベス大統領の発言は、ラ米を代表するものではない」とのメルケル首相発言による。

(2)中国からの訓練機購入計画

(イ)11日、チャベス大統領は自身のテレビ・ラジオ番組「アロー・プレシデンテ」において中国製訓練用航空機Karakorum8(K-8)を購入する可能性について示唆した。大統領は購入台数については言及しなかったが、非公式には24機を購入することで協議されているとの情報がある。一機の価格は2千万ドル以上であると見られている。

(ロ)同機は91年に中国及びパキスタンにより共同開発されたものであるが、01年3月、中国側はマラカイ市(アラグア州)において展示を実施し、チャベス大統領も出席した。当時、チャベス大統領は見学のみであり購入予定はないと述べていたが、その後、ブラジルからベネズエラへの訓練機Super Tucanosの売却が米国により中止され、状況が変化していた。

(3)対葡関係

(イ)14日、ベネズエラを訪問したソクラテス・ポルトガル首相は、「ポルトガル・ベネズエラ2008」企業展開会式に出席した。同企業展には、風力発電、エネルギー、通信、農業、住宅建設、医薬品等に関連する86のポルトガル企業が参加した。

 また、オリノコ重質油地帯を視察したソクラテス首相は、チャベス大統領とポルトガルからベネズエラへの医薬品輸出に関する合意等に署名し、今次訪問中の合意は22に達した。

(ロ)15日、ソクラテス首相は、ロンドン・インフラ大臣と、ラ・グアイラ港(国際空港より至近)を視察するとともに、両国政府間での改修・拡張工事に関する意図表明文書に署名した。同合意に基づき、貨物倉庫スペースの拡張等が予定されている。

    

 

     

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