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  ベネズエラ・マンスリー政治情報(平成21年3月)

 

     


政 治 概 況

1.内  政

(1)3日、名称変更を含む省庁再編及び閣僚の交替が閣議決定。

(2)10日、「市町村基本法」改正法案が国会第一審議を通過し、本年8月8日に予定されていた市議会及び地区代表選挙が延期される見通し。

(3)12日、「地方分権法」改正法が国会第二審議を通過し、野党知事州を中心に各州に権限が移譲されていた空港及び港が国の管轄下となり、国軍が占拠。

2.外 交

(1)3日、トリホス・パナマ大統領がベネズエラを訪問し、チャベス大統領と会談し、両国の統合推進に向けた共同宣言に署名。

(2)19日、ラミレス・エネルギー石油大臣が訪日。原油及び天然ガスの開発、生産、供給における人材育成や技術協力の共同実施を可能にする覚書に署名。

(3)31日、チャベス大統領はカタールで開催された第2回南米・アラブ諸国サミットに出席。

             

内 政

1.省庁再編及び閣僚交代

3日、複数の省庁の名称変更を含む再編及び閣僚の交替を閣議決定した。

(1)省庁再編

(イ)(旧)軽工業・貿易省  (industrias ligeras y comercio)

   (新)貿易省      (comercio)

(ロ)(旧)厚生・社会開発省 (salud)

    (新)保健・社会保障省 (salud y proteccion social)

(ハ)(旧)科学技術省    (ciencia y tecnologia)

    (新)科学技術・中工業省(ciencia,tecnologia e industrias intermedias)

      (注:旧軽工業・貿易省業務の一部も担当)

(ニ)(旧)国民経済省    (economia comunal)

   (新)住民自治省    (comunas)

(ホ)(旧)インフラ省    (infraestructura)

         住宅省      (vivienda y habitat)

   (新)公共事業・住宅省 (obras publicas y vivienda)

(ヘ)国民参加・社会保障省(participacion y proteccion social)が廃止され、業務は内容に応じて保健・社会保障省及び自治省に割り振り。

(2)閣僚交替

(イ)貿易大臣:エドゥアルド・サマン財及びサービスへのアクセス保護庁(INDEPABIS)長官(新規入閣)

(ロ)保健・社会保障大臣:へスス・マリア・マンティージャ・オリベロス旧厚生・社会開発大臣(留任)

(ハ)公共事業・住宅大臣:ディオスダード・カベージョ旧インフラ大臣(留任)

(ニ)科学技術・中工業大臣:ヌリス・オリウエラ・ゲバラ旧科学技術大臣(留任)

(ホ)住民自治大臣:エリカ・ファリアス旧国民参加・社会保障大臣

(ヘ)労働大臣:マリア・クリスティーナ・イグレシアス元労働大臣

(ト)観光大臣:ペドロ・モレホン旧国民経済大臣

(チ)国防大臣:ラモン・カリサレス・レンヒフォ副大統領が兼任

                  

      

2.最高裁判所長官及び理事らの選出

 4日、09年から11年の任期にかかる最高裁判所(TSJ)長官他が選出され、長官にはルイサ・エステージャ・モラレス判事(憲法法廷長)が再選、第一副長官にはオマール・モラ・ディアス判事(社会法廷長)が新任、第二副長官にはルイス・アルフレード・スクレ・クバス判事(選挙法廷長)が再選された。またTSJ理事会理事にはエベリン・マレロ判事(政治・行政法廷長)、イリス・ペニャ・エスピノサ判事(民事法廷長)及び、エラディオ・アポンテ・アポンテ判事(刑事法廷長)が選出された。

 

 

 

3.社会主義政策深化・中央集権化の動き

(1)農地回復及び土地の接収

(イ)5日、チャベス大統領は、ララ州及びポルトゥゲサ州の農地に於ける社会主義地域(コミューン)の創設を宣言した。また同日、ハウア農業・土地大臣は、農地回復の一環として、国立土地庁(INTI)がアラグア州の農地及びララ州の土地を回収したと発表した。INTIは、これまでララ州、アラグア州及びモナガス州の農地において、国有地であることを理由に回収を行っている。

(ロ)8日、同大統領は社会主義住民自治深化の為、新設した住民自治省監督の下、農作物生産に適している土地を地域住民組織に割り当てるメカニズムを構築すると発表した。

(2)「カラカス首都地区基本法」案の計画

10日、国会は本年度の立法計画を制定し、その中にカラカス首都区長官及び、リベルタドール市長と管轄区域を共有し、首都区長官の上位に位置する「副大統領」ポストを設置する「カラカス首都地区基本法」案が含まれることが判明した。右は野党レデスマ首都区長官の、首都地区に於ける権限を縮小させるものであるとして批判が起こっている。

(3)「地方分権法」改正及び空港等の権限移譲

(イ)12日、国会に於いて、「公権力に関する地方分権、権限の範囲策定及び移譲基本法」の改正案が第二審議を通過した。これにより各州に権限が移譲されていた公共財やサービスにかかる権限が、再度国に移譲されることになった。

(ロ)15日、右を受けたチャベス大統領は、全国の港及び空港を国が取り戻す旨発表し、カベージョ公共事業大臣、カリサレス副大統領及び国家警備軍(GN)に対して港及び飛行場のコントロールを再度掌握するよう命じた。

(ハ)20日深夜から21日未明にかけて、スリア州、カラボボ州及びヌエバ・エスパルタ州の空港及び港がGNによって占拠された。また25日には、タチラ州の空港に対してもGNによる占拠が行われ、ミランダ州を除く、全野党知事州の主要空港及び港が占拠された。

 

 

 

4.市議会議員選挙の延期

 10日、「市町村基本法」改正法案が、国会第一審議を通過し、本年8月8日に予定されていた市議会及び地区代表選挙が延期される見通しとなった。なおフローレス国会議長は、延期した市議会議員選挙を、同じく10年に実施予定の国会議員選挙と同時に実施することは考えていないと発言した。
 

 

 

 

 

外 交

     

1.対日関係

(1)ラミレス・エネルギー石油大臣の訪日

19日、ラミレス・エネルギー石油大臣が訪日し、麻生総理大臣と会合した。その後、二階経済産業相との間で原油と天然ガスの開発、生産、供給における人材育成や技術協力の共同実施を可能にする覚書の署名を行った。また両国は、精油所や石油化学プラントの拡張・操業にかかる協力についても合意し、二国間関係緊密化が図られることを確認した。

(2)チャベス大統領の訪日予定

27日、チャベス大統領は日本を訪問すると発言し、日本は一大エネルギー消費国であるため石油供給国が必要であり、一方、ベネズエラは石油販売市場を拡大していると述べた。また日本は多くの技術を有していると評した。

         

              

2.対ラ米諸国関係

(1)対コロンビア関係

(イ)3日、外務省はサントス・コロンビア国防大臣が、国境を侵害したFARC構成員の取締りを許容する発言をしたことに対して、右は国際法を軽視するものであり、非難されうるものであるとのコミュニケを発出した。

(ロ)18日、ベルムデス・コロンビア外務大臣が来訪し、マドゥーロ外務大臣と会談し、二国間協定の再検討を行った上で、本年1月24日に行われた両国首脳会談での諸合意に基づいた通商、農業・食糧分野に於ける技術交流や共同投資及び、自動車のためのガス燃料及びバイオ燃料を含むエネルギー分野にかかる協力協定に関する議論を行った。

(ハ)26日、首都リベルタドール市内において、約300名のベネズエラ左派活動家グループが、マルランダFARC創設者逝去1周年を記念する行進を実施した。これに対して、ベルムデス外務大臣は、コロンビア政府は右行進が私的なグループによるものであることを承知しているとしつつも、一コロンビア人として、テロリスト及び犯罪を賞賛することに憤慨している、と発言した。

(2)対パナマ関係

3日、チャベス大統領は、来訪したトリホス・パナマ大統領と会談を行い、両国の統合推進に向けた共同宣言に署名した。会談を終えたトリホス大統領は、右に於いてパナマのペトロカリブ加盟への希望を表明したことを明らかにした。他の分野に関しては、パナマ産農作物及びベネズエラ産肥料の相互売買の可能性について協議した他、パナマ側よりパナマ運河拡張計画の進捗状況をラ米諸国統合に資するものとして説明した模様。

(3)対エルサルバドル関係

15日、外務省はエルサルバドル大統領選挙に於ける、フネス候補及びファラブンド・マルティ民族解放戦線(FMLN)の勝利に対し祝意を表明するコミュニケを発出した。

(4)対多国間関係

23日、ベネズエラ外務省に於いて、アルゼンチン、ボリビア、エクアドル、パラグアイ、ウルグアイ、ブラジル及びベネズエラの財務大臣らが南米銀行創設に向けた協議を行い、同行設立資本金を100億ドルとした上で、その内ベネズエラ、アルゼンチン及びブラジルが20億ドルを、その他の4ヶ国が段階的にそれぞれ約1億ドルを出資する見通しであると発表した。

   

       

3.対米関係

(1)5日、チャベス大統領は、14日にオバマ大統領と会談予定のルーラ伯大統領から、右会談でベネズエラに言及することについて承認を求められていたことを明らかにし、同大統領が適切と判断することについて発言を許可したと述べた。

(2)21日、チャベス大統領は、「ルーラ大統領とオバマ大統領の会談の際、仲介を受け入れ、ヒラリー国務長官を含む米国政府高官による反ベネズエラ発言に言及したメッセージを送った」ことを明らかにし、会談結果について「ルーラ大統領はオバマ大統領の返答に不満であった」と述べた。また22日にも「ラ米にとっての障害であり、過去200年にわたってテロを輸出してきたのは米国である」として、オバマ大統領を「可哀想な無知」と評した。

(3)29日、クリント米国務長官は、チャベス大統領がオバマ大統領を「可哀想な無知」と批判したことに関して、右はただの侮辱であり、こうした子供じみた発言に対して、我々は議論もしないし、返答もしないと発言し、(ベネズエラ側が10年間に11回の選挙や国民投票を実施したことを民主主義の根拠としていることに関して)「民主主義とは選挙実施以上のものである」述べた。

    

 

       

4.対中東関係

(1)対イラン関係

27日、チャベス大統領は、当国を訪問したモッタキ・イラン外務大臣と会談し、農業、エネルギー、経済、科学技術分野における二国間協力プロジェクト推進の必要性に関する認識を共有し、二国間銀行及び二国間基金の設立について協議した。

(2)対多国間関係

(イ)31日、チャベス大統領はカタールで開催された第2回南米・アラブ諸国サミットに出席し、金融危機に対処するために、アラブ諸国及び南米諸国が、食糧、エネルギー、科学技術の分野において、相互補完的で生産的なプロジェクトを実施すべく戦略アジェンダを構築する必要があると発言した。

(ロ)また同サミット出席を利用して、スレイマン・レバノン大統領、アル・アサド・シリア大統領、カダフィ・リビア指導者、モラレス・ボリビア大統領及び、ルーゴ・パラグアイ大統領と会談を行った。

 

 

 

 

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