ホーム 緊急情報 ベネズエラ概観 二国間関係 大使館案内 文化班案内
リンク集 お知らせ ご意見・ご要望      

 

 政治月報

 (バックナンバー)

 経済月報

 (バックナンバー)

 文化情報

 ベネズエラ略史

 プロフィール

  ・国旗・紋章

  ベネズエラ・マンスリー政治情報(平成21年6月)

 

     


政 治 概 況

1.内  政

(1)4日、最高裁判所はグロボビシオン局に対し、総額565万5,589ボリーバル・フエルテ(BsF)の罰金を命令。

(2)8日、主要野党らが、政府に対抗するための統一団体「民主統一会議」を結成。

(3)30日、国会で、裁判官の行動規範、解任及び停職となる要因を新たに規定した「裁判官に対する倫理法規」が採択。

2.外 交

(1)12日、チャベス大統領はアフマディネジャード・イラン大統領再選に祝意表明。

(2)24日、マドゥーロ外務大臣は、パトリック・ダディー駐ベネズエラ米国大使及び、ベルナルド・アルバレス駐米ベネズエラ大使を再派遣する旨決定したと発表。

(3)28日、チャベス大統領はホンジュラスで発生した政変に関し、セラヤ政権以外のいかなる政府も認めないと発言。

             

内 政

1.野党知事州及び反政府派メディアに対する攻撃

(1)タチラ州及びスリア州への攻勢

(イ)14日、チャベス大統領は、ペレス・タチラ州知事(野党・キリスト教社会党〈Copei〉)が「コロンビアのパラミリタリーと同じ状態を引き起こし、自身の命を狙おうとしている」と述べ、同知事は暴力を用いた分離主義リーダーであると批判し、国家反逆罪で告訴することも可能であると指摘した。

(ロ)21日、チャベス大統領は、スリア州において、「スリア州は分離の論理によって統治されており、革命家らは団結しなければならない」と述べ、マラカイボ−サン・クリストバルを軸とした団結を確保する必要があるとし、同時にスリア州内で市長がベネズエラ統一社会党(PSUV)党員である各市に於いて実施される、23の社会開発計画に対して、1億2,900万BsFを捻出すると発表した。

(2)グロボビシオン局に対する攻撃

(イ)4日、最高裁判所政治・行政法廷は、03年に国家電気通信委員会(Conatel)が、グロボビシオン局に対し、不認可のテレビ機材を使用していたとの容疑で、7台のマイクロ波を使用した放送機器を押収した件に関し、同局が申し立てていた上告を却下するとし、微税監督庁(Seniat)が同局に対して58万2千BsFの罰金を命じた。また5日には、02〜03年のゼネスト時に、同局が反政府系政党及び市民団体等に意見表明の場として無料で放送枠を使用させていた件に関して、右に関する納税がなされていないとして、507万3,589BsFの罰金を科した。

(ロ)5日、チャベス大統領は、措置を決定した関係機関に対して「職務を遂行している」と右姿勢を歓迎した。

(ハ)11日、チャベス大統領は、「グロボビシオン局が変革するならそれを評価する」とする一方で、同局幹部らに対し「もし変革が行われなければ、同局が放送を続けられる日も残り少ないだろう」と同局の閉鎖を示唆する発言を行った。

                  

      

2.ベネズエラ統一社会党(PSUV)関係

(1)6日、ロドリゲスPSUV組織担当代表は、本年5月7日〜6月14日に実施した党員登録期間中に、全国335の市町村に於いて153万1,674名が新規登録したと発表し、07年4〜6月の登録期間に登録した572万2,017名と併せて、全党員数は725万3,691名となると発表した。また、右は全国選挙登録者1,600万名の46%にあたり、今次登録者の45%が28歳以下、10%が16〜17歳であるとして、若年層にも党員が拡大している旨強調した。尚、07年の登録者のうち、今次再登録を行ったのは222万7,627名のみであるが、同代表は当初の方針を変更し、再登録しなかった約350万人についても、党籍を維持するとした。

(2)25日、チャベス大統領は、PSUV内に、同党の基本単位となる23万3,000個の社会主義パトロール隊を形成すると発表した。右は各地域の担当副党首が7百万人の党員を地域ごとにグループ分けした中から30名ずつを選んで1個隊を構成し、15日ごとに会合の実施を義務づけるものである。大統領は、今次パトロール隊結成の目的を自然災害時等の戦略軸とすると共に、同党のプロパガンダを担うものと位置づけた。

 

 

 

3.司法関係

(1)15日、最高裁は、国外司法機関における紛争を解決するためにベネズエラが有効かつ明示的な意思表示をしない限り、国外裁判に従わないと発表した。また国外司法機関の判決を受け入れるためには、大統領の意思と国会による承認法が必要であり、更に、99年以前に他国と締結した協定についても、訴訟乃至修正できるとした。

(2)30日、国会に於いて、裁判官の行動規範、解任及び停職となる要因を新たに規定した「裁判官に対する倫理法規」が採択され、違反を行った裁判官は地域住民委員会から構成される各州の司法選挙組合から選出した判事による懲戒法廷で審議される見通し。

 

 

 

4.野党による統一団体「民主統一会議(Mesa de la Unidad Democratica)」の結成

8日、主要野党らが、チャベス政権に対抗し、ベネズエラの政治を変革するための統一団体「民主統一会議」の結成を発表した。同会議内には各党の代表者が率いる、市民社会との関係、戦略、立案、組織及び動員、青年、人権及び司法、地方分権化、社会問題、国際問題、選挙及び反汚職等のテーマを扱った11の実務委員会を各地域に設置し、今後は毎週予め合意されたテーマに関する定期記者会見を実施するとした。

 

 

 

外 交

     

. 対ラ米諸国関係

(1)対ホンジュラス関係

(イ)25日、チャベス大統領は、ホンジュラスで、セラヤ政権に対する反政府派クーデターが進行しているとし、同大統領及びホンジュラス国民に対する団結の意を表明した。

(ロ)28日、チャベス大統領はホンジュラスで発生したクーデターに関し、ベネズエラはセラヤ政権以外のいかなる政府も認めず、同大統領復帰のため、あらゆることを実行すると発言した。また、ラグナ駐ホンジュラス大使が攻撃を受けたことに対し、我が国の大使や大使館が攻撃されたのであれば、この暫定政府は戦争状態に入ったも同然であるとし、国軍へ厳戒態勢を敷くよう命じた。

(ハ)29日、チャベス大統領はニカラグアで開催されたリオ・グループ会合において、ホンジュラスで成立した非合法政府に対して何ら措置がとられなければ締め付けを行う必要があるとし、ペトロカリブ会合を開催して、ホンジュラスへの石油送付を停止する提案を行う用意があることを示した。

(ニ)30日、チャベス大統領は、セラヤ大統領一行がホンジュラス入りした際、一行に対する攻撃があれば、国連による軍事介入も必要との認識を示した。

(2)対エルサルバドル関係

(イ)1日、チャベス大統領は、予定されていたフネス・エルサルバドル大統領の就任式典に出席せず、外務省はその理由を同大統領に対する暗殺計画疑惑のためと発表した。

(ロ)2日、チャベス大統領は、自身が利用する予定であったキューバ航空機にミサイルを発射する暗殺計画があったと発言し、「29日の明け方より、オルテガ・ニカラグア大統領から随時関連情報を受け取っていた」と述べた。

(3)対ドミニカ国関係

13日、チャベス大統領はドミニカ国を訪問し、燃料プラント開所式に参加した。

(4)対多国間関係

(イ)3日、チャベス大統領は、米州機構(OAS)総会で、キューバ追放を定めた1962年決議を撤廃する決議を全会一致で採択したことに関し、「ボリーバル外交の偉大なる勝利であり、この勝利はベネズエラのみならず、米州ボリーバル代替構想(ALBA)諸国の勝利でもある」と評した。

(ロ)12日、チャベス大統領はセントクリストファー・ネーヴィスにて開催された第6回ペトロカリブ首脳会合に出席した。今次会合においては、加盟国間のエネルギー、社会、経済分野における新たな協力メカニズム構築のための組織強化について話し合われた。また、2013年のベネズエラ東部における液化ガス生産開始と同時に、加盟国に天然ガスが供給されること、総額222百万ドルに上る84の社会プロジェクトの実施、及びペトロカリブの枠組での合弁企業9社の設立が合意された。

(ハ)24日、アラグア州マラカイに於いて、第6回ALBA特別首脳会合が実施され、チャベス大統領を始め、コレア・エクアドル大統領、モラレス・ボリビア大統領、オルテガ・ニカラグア大統領、スケリット・ドミニカ国首相、ゴンザルベス・セントビンセント及びグレナディーン諸島首相、スペンサー・アンティグア・バーブーダ首相、マチャード・キューバ国家評議会第一副議長及びロダス・ホンジュラス外務大臣が出席し、デービッド・グレナダ外務大臣及びラコグニャタ・パラグアイ外務大臣がオブザーバー国として参加し、エクアドル、アンティグア・バーブーダ及び、セントビンセント及びグレナディーン諸島のALBA加盟が承認された。

         

              

2.対米関係

(1)16日、米国務省が発表した「人身取引報告書2009年6月版」において、ベネズエラが「人身取引被害者保護法」の最低用件を満たしていない国とされたことに対し、17日、外務省がこれを批判するコミュニケを発出した。

(2)21〜23日、レデスマ・カラカス首都区長官が訪米し、インスルサOAS事務総長を初め、世銀、米州人権委員会(CIDH)等を訪問し、ベネズエラの現状について訴えた。

(3)24日、マドゥーロ外務大臣は、客年9月にチャベス大統領が国外追放を命じたパトリック・ダディー駐ベネズエラ米国大使及び、同時に本国へ召還されていたベルナルド・アルバレス駐米ベネズエラ大使を再派遣する旨決定したと発表した。

(4)27日、チャベス大統領は、24日に新米南方軍司令官に就任したフレイザー中将が、ベネズエラはいかなる脅威にも晒されてないにもかかわらず、武器の購入を増加させている点につき憂慮していると発言したことに関し、ベネズエラに対する干渉であり、オバマ大統領が本年4月に開催された米州首脳会合の場でチャベス大統領に述べた、ベネズエラの内政に関しては干渉しないとの約束に反していると発言した。

   

       

3.対欧州関係

(1)対オランダ関係

11日、ベネズエラ海軍西部地区司令官であるゴンカルベス海軍少将は、今月14〜20日にベネズエラ領海及びオランダ領アンディール諸島周辺において、オランダ海軍との合同軍事演習を実施する旨発表した。

(2)対ベラルーシ関係

21日、カリサレス副大統領がベラルーシを訪問し、ルカシェンコ大統領と会談し、在ベラルーシ・ベネズエラ大使館を開館した。

(3)対ロシア関係

23日、カリサレス副大統領が訪露し、プーチン首相と会談し、露−ベネズエラ二国間銀行の創設に合意し、セチン露副首相のベネズエラ訪問の可能性について協議した。

    

 

4.対イラン関係

(1)12日、チャベス大統領は、アフマディネジャード・イラン大統領に架電し、同大統領の再選に祝意を伝えた。

(2)16日、政府はコミュニケを発出し、アフマディネジャード・イラン大統領再選への祝意を表明すると共に、同国に対する内政干渉を批判した。

 

 

 

5.対北朝鮮関係

11日、チャベス大統領は、核エネルギーを軍事目的で使用することには反対しつつも、北朝鮮が核実験を行ったことに対しては疑問視しないとの考えを示し、「北朝鮮を非難するのであれば、世界最大の核保有国である米国を非難しなければならないであろう」と発言した。

 

6.対アフリカ関係

(1)9日、ピン・アフリカ連合(AU)委員長がベネズエラを訪問し、チャベス大統領と会談し、早急にAU及びALBA諸国間での会合の実施に向けて行動すると発言した。

(2)17日、ピレス・サントメ・プリンシペ民主共和国外務大臣がベネズエラを訪問し、マドゥーロ外務大臣と第2回アフリカ−ラ米首脳会合に向けた準備会合を行った。

 

 

 

ベネズエラ概観のトップへ