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  ベネズエラ・マンスリー政治情報(平成21年7月)

 

     


政 治 概 況

1.内  政

(1)25日、チャベス大統領は、国会議員に対し、憲法承認10周年である12月15日までに99年憲法以前に制定された反革命的法律が全て無効となっていることを求め、再度大統領授権法を発効させ、右プロセスを早めることもできると提案。

(2)30日、オルテガ検事総長は、全17条からなる「メディア犯罪特別法」案を国会に提出。

(3)31日、カベージョ公共事業・住宅大臣は、通信基本法違反により国内テレビ局2社及びラジオ局32社の即時閉鎖を発表。

2.外 交

(1)2日、チャベス大統領は、ホンジュラスの政変に米国右派が関与していると批判し、ホンジュラス向け石油輸出停止を決定。

(2)27日、セーチン露副首相が当国を訪問し、チャベス大統領と会談。

(3)28日、チャベス大統領は、コロンビア政府が、コロンビア革命軍(FARC)がベネズエラの兵器を所有していたと発言したことに対し、対コロンビア関係の凍結及び同国駐在大使の帰国を命令。

             

内 政

1.メディアに対する締め付けの強化

(1)グロボビシオン局に対する制裁

 3日、カベージョ公共事業・住宅大臣は、グロボビシオン局が、国内で活動する反政府系シンクタンクによる「社会財産法」案への批判及び、私有財産擁護のキャンペーンを放映したことに関して、右は国民に私有財産が脅かされているような推測をさせるものであると指摘し、同局に対して、国家電気通信委員会(Conatel)がこの半年間で5回目となる立ち入り検査を開始したと発表した。

(2)Conatelによる放送権データ更新問題

(イ)3日、カベージョ公共事業・住宅大臣は、Conatelが全ラジオ及びテレビ局に対して、現在の各局のデータを更新のために提出するよう求めていた件に関し、これに応じなかったFM局86社及びAM局154社は、Conatelの立ち入り検査を受けた上で、放送許可を取り消す予定であることを明らかにした。放送許可を取り消された放送局には、機材没収及び、5年間の放送業務停止措置がとられる。

(ロ)31日、同大臣は、通信基本法違反により国内18州におけるテレビ局2社及びラジオ局32社の即時閉鎖を発表し、本閉鎖措置はデータ更新未提出による罰則の始まりであり、全240局の内120局は必要な行政手続きを踏んでおらず、何らかの罰則が採られるだろうと述べた。

(3)ケーブルテレビに対する行政裁定

 9日、カベージョ公共事業・住宅大臣は、国会において、ケーブルテレビの国際放送局の中で、海外で制作された番組が70%以下である放送局は、国内の放送局とみなし「ラジオ・テレビ社会責任法」を適用する行政裁定を公布する旨発表した。今回の規定によりケーブルテレビ事業者は、番組に「国内視聴覚制作者」を加えること及び、その放送に際して支払いを行うよう義務づけられると共に、Conatelに未登録で放送事業を行った番組制作事業者及び有料テレビ放送局に対して制裁が行われる。

(4)「メディア犯罪特別法」案の国会提出

 30日、オルテガ検事総長は、全17条からなる「メディア犯罪特別法」案を国会に提出した。右は虚偽もしくは不正工作によって、国家の利益もしくは公衆モラルを損なう情報をメディアを通して報道したあらゆる個人に対して、最大4年の収監を規定している。

                  

      

2.チャベス大統領による大統領授権法の再制定提案

 25日、チャベス大統領は99年の制憲議会選出からの10周年を記念する国会特別審議に於いて、同議会発足から10年経った現在でも教育法や選挙法など99年憲法以前に制定された法律が現存していることは説明しがたいと批判し、国会議員に対し、憲法承認10周年である12月15日までに反革命的法律が全て無効となっていることを求めた。また再度大統領授権法を発効させ、右プロセスを早めることもできると提案した。

 

 

 

3.世論調査

 2日付当地報道各紙は、当地調査会社であるベネズエラデータ分析機関(IVAD)による、チャベス大統領の施政等に関する世論調査等を報じた。(実施期間:6月17〜26日、調査対象:全国18歳以上の1,200名)。

(1)回答者の支持傾向

(イ) チャベス派 36.3%
(ロ) 反チャベス派 34.5%
(ハ) どちらでもない 24.6%
(ニ) 政治に興味がない 2.1%
(ホ) 無回答 2.6%

(2)国内の現状

(イ) 大変良い 1.8%
(ロ) 良い 14.5%
(ハ) 良い〜普通 28.9%
(ニ) 普通〜悪い 16.1%
(ホ) 悪い 20.6%
(ヘ) 大変悪い 16.2%

(3)国内問題は誰の責任であるか

(イ) 政府 26.3%
(ロ) チャベス大統領 18.3%
(ハ) 知事 15.0%
(ニ) 反政府派 9.4%
(ホ) 市長 8.2%
(ヘ) 企業関係者 2.9%

(4)チャベス大統領の施政

(イ) 大変良い 12.4%
(ロ) 良い 24.3%
(ハ) 良い〜普通 26.4%
(ニ) 普通〜悪い 13.0%
(ホ) 悪い 9.6%
(ヘ) 大変悪い 13.3%

(5)チャベス大統領に関して

(イ) 信頼している 51.8%
(ロ) 政策が望ましい 63.0%

(6)政府の政策によって民主主義が脅かされているか否か

(イ) 脅かされている 55.6%
(ロ) 脅かされていない 40.8%
(ハ) わからない/無回答 3.7%

(7)国会、検察、全国選挙評議会、会計検査院、最高裁判所等の公権力は独立しているか否か

(イ) 独立している 24.7%
(ロ) 政府の意向を反映している 65.8%
(ハ) わからない/無回答 9.6%

(8)チャベス大統領によって私有財産が脅かされているか否か

(イ) 脅かされている 57.0%
(ロ) 脅かされていない 38.6%

 

 

 

 

外 交

     

. 対ラ米諸国関係

(1)対ホンジュラス関係

(イ)2日、チャベス大統領は今次ホンジュラスの政変に米国右派が関与しており、駐ホンジュラス米国大使は間違いなくクーデターが起こることを知っていたと批判し、今次政変に反対しているホンジュラス国内の社会指導者や軍指導者と連絡を取っていること及び、ホンジュラス向け石油輸出を停止したことを明らかにした。

(ロ)5日、チャベス大統領は、セラヤ大統領が同国軍の妨害により着陸できなかったことに関して、ホンジュラス国軍及びクーデター政権はこうした事態を反省しなければならないと述べ、同国のクーデター政権は全世界の政府に立ち向かい、挑む意志を有しているのだろうかと疑問を呈した。

(ハ)12日未明、ホンジュラスで取材を行っていたTelesur局及び国営ベネズエラ放送(VTV)局の記者が、取材に使用していた車輌が盗難車輌であるとの疑い及び、破壊活動を引き起こしたとの主張により、警察によって宿泊先のホテルに拘留された後、在ホンジュラス・ベネズエラ大使館関係者及び人権保護関係者に同行されて、空港に連行された。

(ニ)21日、ミチェレッティ・ホンジュラス暫定政府は、米州ボリーバル同盟(ALBA)加盟諸国の在ホンジュラス大使館に対し、72時間以内の国外退去を命じ、その後の身の安全は保障しないとする書簡を送付した。これに対し、22日、ベネズエラ外務省はコミュニケを発出し、合法政府から発出された公式見解ではないとして右を否定した。

(ホ)25日、チャベス大統領は、セラヤ大統領の帰国を試みていることに関するアリアス大統領及びクリントン米国務長官の発言について、アリアス大統領は米国政府の発言を繰り返すのみであり、ラ米の一大統領として恥ずべきものであると批判した。

(2)対コロンビア関係

(イ)20日、チャベス大統領は、コロンビア政府が麻薬及びゲリラ対策のため、米軍に国軍基地の使用を許可したことに関して、同国との外交関係を見直す必要があると表明し、今次決定はベネズエラに対する「脅迫」のようなものであると発言した。

(ロ)28日、チャベス大統領は、27日にサントス・コロンビア副大統領が、スウェーデンがベネズエラに売却した兵器をコロンビア革命軍(FARC)が所有していたと発言したことに対し、対コロンビア関係の凍結及び同国駐在のマルケス大使及び大使館員の帰国を命じ、今後新たな侵害行為が加えられれば即座に二国間関係を断絶し、コロンビア企業を接収する可能性もあると述べた。

(ハ)29日、カリサレス副大統領兼国防大臣がコロンビア政府に対し、FARCから押収したベネズエラ所有とされる武器を、正式なルートを通して提示するよう要求した。

(3)対ボリビア関係

(イ)16日、チャベス大統領は、ロダス・ホンジュラス外務大臣と共にボリビア、ラパス市を訪問し、同市制200周年式典に出席した。

(ロ)17日、チャベス大統領は、モラレス・ボリビア大統領と会談し、エネルギー、経済及び科学技術開発に関する二国間協力協定に署名した。

(4)対ブラジル関係

 29日、チャベス大統領はルーラ伯大統領と電話会談を行い、二国間及び地域情勢について協議した。

(5)対ニカラグア関係

 19日、マドゥーロ外務大臣は、ニカラグアで行われたサンディニスタ革命30周年記念式典に出席した。当初は出席が見込まれていたチャベス大統領は健康の理由により欠席。

(6)対ガイアナ関係

 11日、ロドリゲス・ガイアナ共和国外務大臣が、ベネズエラを訪問し、マドゥーロ外務大臣と会談を行った。
 

         

              

2.対米関係

1)1日、再派遣が決定されていたパトリック・ダディー駐ベネズエラ米国大使が、ベネズエラに帰任し、これをきっかけに両国政府がより率直かつ円滑な疎通を図り、より生産的な二国間関係が構築される第一歩となることを望んでいると発言した。

(2)7日、クリントン米国務長官は、訪米したラベル・グロボビシオン局社長らと面会し、同局のテレビ番組に出演して、対ベネズエラ関係に関して発言した。

   

       

3.対欧州関係

(1)対ロシア関係

 27日、チャベス大統領は、ベネズエラ訪問中のセーチン露副首相と会談し、これまで両国間で結ばれた軍事技術協力、核エネルギー利用を含むエネルギー協力等に関する取り決めを確認する議事録に署名をおこなった。

(2)対スペイン関係

 29日、モラティーノス西外務大臣は、ベネズエラを訪問し、チャベス大統領と会談し、新たな7つの合意文書の署名に立ち会った。

    

 

4.対中東関係

(1)対イラン関係
15日、イランで民間機が墜落した件に関して、外務省は右への弔意及び連帯を表明するコミュニケを発出した。

(2)対イスラエル関係
21日、イスラエル外務省ラ米・カリブ担当部長が、ベネズエラを含むラ米各国に、ヒズボラの拠点が存在していると発言したことに対して、外務省はこれを拒絶するコミュニケを発出した。

 

 

 

5.対国際機関関係

20〜21日、レデスマ・カラカス首都区長官をはじめとする反政府派知事らが、ワシントンを訪問し、インスルサ米州機構(OAS)事務総長と会談した。

 

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