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  ベネズエラ・マンスリー政治情報(平成21年8月)

  

     


政 治 概 況

1.内  政

(1)4日、チャベス派過激派のリナ・ロン女史が、反政府派テレビ局「グロボビシオン」社への攻撃に関与しているとして逮捕。

(2)12日、「選挙プロセス基本法」が公布。反政府派は、大政党に有利な投票配分となっている点、選挙区の制定を全国選挙評議会(CNE)が実施できる点等を批判。

(3)13日、「教育基本法」案が制定。反政府派は「シモン・ボリーバルの教義」に基づいた教育等の文言が、チャベス大統領が07年から主張してきた教育分野に於ける社会主義化の動きを反映したものとなっていると批判。

2.外 交

(1)5日、チャベス大統領は、コロンビアへの米軍基地設置問題に抗議するため、同国からの全輸入を停止すると発表。

(2)10日、チャベス大統領は、エクアドルのキトで開催された第3回南米諸国連合(UNASUR)首脳会合に出席し、コロンビアへの米軍基地設置を問題提起。

(3)11日、ラミレス・エネルギー石油大臣がロシアを訪問し、プーチン首相とエネルギー及び軍事協力等について協議。

             

内 政

1.「選挙プロセス基本法」の公布

 12日、7月31日に国会で成立した「選挙プロセス基本法」が特別官報により公布され、本法案は、従来の「選挙・政治参加基本法」に替わるものであるが、大政党に有利な投票配分となっている点、選挙区の制定を全国選挙評議会(CNE)が実施できる点、各選挙の規定が定められていない等、少数与党を含む各方面から批判が起こっている。

                  

      

2.「教育基本法」の制定及び同法を巡る動き

(1)13日、「教育基本法」案が国会の第二審議を通過した。本法案に関しては「シモン・ボリーバルの教義」に基づいた教育等の文言が定められており、各方面からチャベス大統領が07年から主張してきた教育分野に於ける社会主義化の動きを反映したものとなっているとの批判が起こっている。

(2)15日、チャベス大統領は、「教育基本法」に署名し、本法を遂行し、革命を推進するための委員会を早急に発足させることが必要であるとし、教育概念を変更するための新しい行政計画を提示した。

(3)22日、「教育基本法」に反対する反政府派を中心としたグループが、カラカス市内においてデモ行進を行った。参加者は約2万名。

(4)28日、オルテガ検事総長は、昨今国内で繰り広げられている教育基本法に対する抗議活動は、同法への不満を表す目的ではなく、チャベス政権打倒のために行われているとし、今後こうした行動を組織または参加したいかなる人物も起訴すると警告した。

 

 

 

3.反政府系メディアに対する攻撃

(1)3日、リナ・ロン女史率いる35名のベネズエラ愛国同盟党(UPV)所属のチャベス派過激派が、反政府派テレビ局「グロボビシオン」本社に侵入し、中庭に催涙弾を投下し、2名が負傷した。これに関して、アイサミ内務司法大臣は「我々は法の下で行動しており、双方の相違を解決するために暴力を用いることは、許容できない」として非難した。

(2)4日、チャベス大統領は、「グロボビシオンに対する攻撃は、ブルジョアジーに酸素を与える行為であり許容できない」と述べた。また同日には、関与が疑われていたリナ・ロン女史が、検察に出頭し、逮捕された。

 

 

 

4.省庁の名称変更

 15日、チャベス大統領は、「教育省(Ministerio de Educacion)」を「基礎教育省(Ministerio de Educacion Basica) 」に、「高等教育省(Ministerio de Educacion Superior)」を「大学教育省(Ministerio de Educacion Universitaria)」に、それぞれ名称変更する旨発表した。

 

 

 

外 交

     

1.対日関係

(1)24日、西谷修・東京外国語大学教授他計5名の日本人学者団が当地を訪問し、当地知識人と共にベネズエラ政府主催の討論会に参加した。また26日には、大統領府においてチャベス大統領と会談し、政府系TVにて2時間以上に渡り生中継された。

(2)31日、チャベス大統領は、衆議院選挙における民主党の勝利に関して、「日本で起きている変化は興味深い。この中道左派の勝利は大変重要である」と発言した。

         

              

2.対ラ米関係

(1)対コロンビア関係

(イ)5日、チャベス大統領は、コロンビアへの米軍基地設置問題に抗議するため、同国からの全輸入を停止する旨明らかにし、アルゼンチン及びブラジルからの輸入で代替すると発表した。また、Ecopetrol社によるオリノコ・ベルト地帯への入札も認めないとした。

(ロ)6日、サンペール元コロンビア大統領がベネズエラを訪問し、チャベス大統領と会談し、二国間関係の早急な正常化及び両国の国境地帯の状況を憂慮している旨表明した。

(ハ)7日、チャベス大統領は、7月28日に召喚を命じていたマルケス駐コロンビア・ベネズエラ大使の帰任を発表した。

(ニ)9日、チャベス大統領は、コロンビアに対する燃料供給協定の停止を命じた。

(ホ)19日、ラミレス・エネルギー・石油大臣は、18日に期限を迎えたコロンビアの国境地域に対する石油輸出協定を更新しない旨発表し、ベネズエラからコロンビアに対する石油密輸問題に関しても対応策を示した。

(ヘ)25日、チャベス大統領は、マドゥーロ外務大臣に対して、コロンビアとの関係を断絶する用意をしておくように命じた。

(2)対ブラジル関係

 20日、ベネズエラにおいて、伯−ベネズエラ企業会合が開催され、通商協力及び産業開発に関する8つの合意が締結され、チャベス大統領は二国間特別基金の創設を提案した。

(3)対アルゼンチン関係

 11日、チャベス大統領は、企業団と共に当国を訪問したフェルナンデス亜大統領と定期会談し、総額17億ドルに上る22の文書(うち10が公開署名)が両国企業間で締結された。

(4)対ペルー関係

 12日、ガルシア・ベラウンデ・ペルー外務大臣は、3月9日に在ベネズエラ法王庁大使館から逃走した学生運動指導者ニクソン・モレノ氏が、同国内にいる旨発表した。

(5)対キューバ関係

 10日、チャベス大統領は、コレア・エクアドル大統領の就任式及び独立宣言200周年記念に出席のため、同国を訪問していたラウル・カストロ・キューバ国家評議会議長と非公式に会談し、社会、和平を目的として多極世界を構築するための国家間の統合及び団結、より公正な両国間関係等、多岐にわたる二国間協力に関して議論を行った。

   

       

.対米関係

 16日、チャベス大統領は、オバマ米大統領の「ラ米各国がホンジュラス情勢に対する米国の介入を望んでいることはラテンの偽善である」との発言について、南米は介入など望んでおらず、米国はホンジュラス及びラ米から手を引くべきであると批判した。

    

 

4.対欧州関係

(1)対ロシア関係

(イ)5日、チャベス大統領は、プーチン首相と電話で会談し、コロンビアへの米軍基地移転問題に関して、ラ米及びカリブ諸国に対する脅威であると伝えたと述べた。

(ロ)11日、ラミレス・エネルギー石油大臣がロシアを訪問し、プーチン首相とエネルギー及び軍事協力等について協議した。

(ハ)13日から16日にかけて、カリサレス副大統領兼国防大臣がロシアを訪問し、二国間ハイレベル委員会に参加した。

(ニ)16日、チャベス大統領は、今後もロシアから戦車、戦闘機、ミサイル(特にIglas-S)等の武器を輸入し続けるとの考えを示した。

(2)対ベラルーシ関係

(イ)17日、カリサレス副大統領は、ベラルーシを訪問し二国間ハイレベル委員会に参加した。

(ロ)19日、ベラルーシから帰国したチャコン科学技術・中工業大臣は、ベネズエラ国内にトラクター及びトラック製造工場2社を設立する合意が成立したと述べた。

 

 

 

 

5.対アフリカ関係

(1)対スワジランド関係

 26日、国会は、07年12月にスワジランドとの間で締結した協力協定を批准し、「スワジランド王国との協力枠組法」を公布した。

(2)対ジンバブエ関係

 26日、チャベス大統領の特使であるエドゥアルド・ブイラ氏がジンバブエを訪問し、ムガベ大統領と会談し、同大統領が、来月26、27日にベネズエラで実施予定の第2回アフリカーラ米首脳会談に参加する旨明らかにした。

 

.対国際機関関係

(1)南米諸国連合(UNASUR)首脳会合

(イ)10日、チャベス大統領は、エクアドルのキトで開催された第3回UNASUR首脳会合に出席し、議題に含まれていなかったコロンビア国内に於ける米軍基地設置問題に言及したものの、最終宣言には右問題は含まれなかった。

(ロ)28日、チャベス大統領は、アルゼンチンで行われたUNASUR特別首脳会合に出席し、ウリベ大統領に対して基地設置問題に関する米軍との合意文書を提示するよう求め、少なくともベネズエラが有している疑念及び謎を払拭することが必要であると発言した。

(2)対ユネスコ関係

 14日、政府は、12日に、松浦ユネスコ事務局長が、ベネズエラのプレスのおかれる状況に「深い懸念」を表明したことを拒絶するユネスコ代表部サンチェス大使名の書簡を発表し、誤った情報に基づくものである旨反論するとともに、早急な訂正を要請した。

 

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