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  ベネズエラ・マンスリー政治情報(平成21年9月)

 

     


政 治 概 況

1.内  政

(1)17日、内閣の中にチャベス大統領が長を務める大統領諮問会議が創設され、6人の副議長及び事務局長が任命。

(2)19日、チャベス大統領は、国内の保健分野が緊急事態に直面しているとの認識を示し、医療保健ミッション「バリオ・アデントロ」計画の刷新を図る旨表明。

(3)29日、オルテガ検事総長は、1989年に発生した民衆暴動「カラカッソ」において、市民弾圧を指示した容疑でペレス元大統領を逮捕するようインターポールに申請。

2.外 交

(1)1日〜11日、チャベス大統領は、リビア、アルジェリア、シリア、イラン、トルクメニスタン、イタリア(ベネチア国際映画祭)、ベラルーシ、ロシア、スペインを外遊。

(2)24日、チャベス大統領は第64回国連総会に出席し、一般討論演説を実施。

(3)26日及び27日、ベネズエラにおいて第2回ラ米-アフリカ首脳会合の開催。

             

内 政

1.大統領諮問会議の創設及び副議長の任命

  17日、チャベス大統領は、政府の構造改革を開始したとし、その一環として、内閣の中に自らが率いる大統領諮問会議を創設し、以下の6人の副議長及び事務局長によって構成されると発表した。

(1)防衛:ラモン・カリサレス行政副大統領兼国防相

(2)社会:ルイス・レジェス・レジェス大統領府大臣

(3)金融経済:ホルヘ・ジョルダーニ企画開発大臣

(4)生産経済:ジェシー・チャコン科学技術・中工業大臣

(5)国土開発:ラファエル・ラミレス・エネルギー石油大臣

(6)政治:ニコラス・マドゥーロ外相

(7)事務局長:フレディ・ベルナル前リベルタドール市長

 また、行政の効率化を図るため、カリサレス副大統領、ジョルダーニ大臣、アリ・ロドリゲス財務経済大臣及びグラディス・グティエレス行政監察官によって構成される、検討委員会(comision de mesa)を設置した。

                  

      

2.保健分野の刷新

 19日、チャベス大統領は、国内の保健分野が緊急事態に直面しているとの認識を示し、キューバの協力の下に政府が実施している医療保健ミッション「バリオ・アデントロ」計画の刷新を図る旨表明した。

 

 

 

3.ラジオ放送に対する政府の介入

 22日に公布された官報に於いて、全ラジオ放送局は、1日3時間半、通信情報省が選出した番組を放送しなければならないとした規約が掲載された。

 

 

 

4.ペレス元大統領に対する逮捕請求

 29日、オルテガ検事総長は、1989年に発生した民衆暴動「カラカッソ」で、数百人の市民が政府により弾圧され、死亡もしくは拷問された事件を調査するため、当時の大統領であったカルロス・アンドレス・ペレス元大統領を市民弾圧を指示した容疑で逮捕するようインターポールに申請した。

 

 

 

外 交

     

1.対ラ米関係

(1)対ホンジュラス関係

 21日、チャベス大統領は、セラヤ大統領から電話を受け、同大統領がホンジュラスに帰国した旨発表し、暫定政府支持者に対して、セラヤ大統領の生命及び尊厳を守るように要求した。また同日、米州ボリーバル同盟(ALBA)加盟諸国も本件に関するコミュニケを発出した。

(2)対ペルー関係

 17日、勇敢な民の同盟党(ABP)は、同党の幹部であるオスカル・ペレス氏がペルーにおいて政治亡命を申請した旨発表した。

         

              

2.対米関係

(1)8日、Morgenthauマンハッタン地区検事は、イラン及びベネズエラの関係強化は、両国の原子力開発の意欲を高めるものであり、注意深く警戒する必要があると述べた。

(2)9日、ケリー米国務省報道官は、「米国はベネズエラ及びイランのあらゆる関係に対して、大変真剣に注意を払っている」と述べ、ベネズエラがイランに対して、原子力に関する国連安全保障理事会決議を順守するように要請することを期待すると発言した。

(3)23日、チャベス大統領は、第64回国連総会年次一般討論に出席するため訪米し、同日行われたオバマ米大統領の演説に関して「オバマがこの偉大な国を他国を尊重する外交政策へと導き、自身(オバマ大統領)が発言したことを遂行するよう望んでいる」と発言した。また同日、リンカーン・センターで開催された映画「South of the Border」上映会に、オリバー・ストーン監督及びモラレス・ボリビア大統領と共に出席した。

(4)24日、チャベス大統領は、米CNN局のテレビ番組「ラリー・キング・ライブ」に出演し、対イラン及びロシア、国内メディア等に関して発言した。

   

       

.対 欧州関係

(1)対トルクメニスタン関係

7日、チャベス大統領は、トルクメニスタンを初めて訪問し、ベルディムハメドフ大統領と会談し、天然ガス版OPECの創設計画に参加するよう提案した。

(2)対イタリア関係

7日、チャベス大統領は自身を題材としたドキュメンタリー映画「South of the Border」のベネチア国際映画祭出展を受けて、同地を訪問した。

(3)対ベラルーシ関係

8日、チャベス大統領は、ベラルーシを訪問し、ルカシェンコ大統領と会談し、ベラルーシからベネズエラへの自動車燃料用液化天然ガス(PLG)生産のための技術移転、農業中間財、カリウム肥料の輸入合意、及び水素処理に関する科学開発合意を締結した旨述べた。

(4)対ロシア関係

10日、チャベス大統領は、8回目のロシア訪問を実施し、メドベージェフ大統領と非公式会談を行い、ロシアの協力の下、ベネズエラの国防システム強化を図る軍事技術協力を含む17の合意に署名し、アブハジア及び南オセチアの2つの新共和国を承認した。また同日、プーチン首相とも会談した。

(5)対スペイン関係

11日、チャベス大統領はスペインを訪問し、サパテロ首相及びフアン・カルロス1世国王と会談した。右に於いてイスラエルでのベネズエラの領事事案をスペインが代表することを決定した。

(6)対アンドラ公国関係

地元紙によれば、アンドラ公国の資金洗浄予防ユニット(UPB)が米財務省がマイアミで開始した捜査に基づいて、チャベス大統領に近い人物がアンドラ公国に有している銀行口座を凍結した。

    

 

4.対中東関係

(1)対シリア関係

3日、チャベス大統領は、シリアを訪問し、アル・アサド大統領と会談して、新二国間合意に署名し、シリアに日量20万バレル精製可能な石油精製所を建設する旨発表した。

(2)対イラン関係

(イ)5日、チャベス大統領は、イランを訪問し、アフマディネジャード大統領と会談し、両国が二国間関係強化を通じて、革命国家を支援しなければならないと述べた。また、本年4月に開設したものの未だ機能していない二国間銀行の業務開始に関し、30日以内に1億ドルが同銀行に注入されること及び、10月よりイラン向けにガソリン25b/dを輸出することを明らかにした。

(ロ)6日、チャベス大統領はハメネイ最高指導者と会談した。

(ハ)7日、チャベス大統領は、仏フィガロ紙のインタビューにおいて核兵器の使用は大惨事を招くとし、軍縮を擁護しつつも、イランは核兵器を製造しているわけではなく、多くの国々が行い、ベネズエラもその権利を有する原子力エネルギー開発をなぜイランは実施できないのかと疑問を呈し、同国の権利を主張した。

(ニ)25日、サンス基礎産業・鉱業大臣は、イランが当国においてウラン埋蔵の探知に協力している旨明らかにしたものの、イランの核兵器製造に協力する可能性は否定した。しかし27日にはラミレス・エネルギー石油大臣が、ベネズエラはイランとの間で国内のウラン埋蔵探索計画を未だ有しておらず、唯一存在するのはロシアとの協定だけであり、原子エネルギーを所轄するのはエネルギー石油省であると発言した

(3)対カタール関係

23日、チャベス大統領は国連総会終了後、ハマド・カタール首長と会談し、両国の関心のある分野について意見交換を行った。

 

 

 

 

5.対アフリカ関係

(1)対リビア関係

(イ)1日、チャベス大統領は、リビアを訪問し、革命40周年記念式典に出席した。2日にはカダフィ革命指導者と会談を行い、エネルギー協力を中心に協議した。

(ロ)28日、チャベス大統領は当国を訪問したカダフィ革命指導者と二国間会談を行い、国家テロを含むテロとの戦い、テロの概念を定義するための国際会議の開催、国連安保理の覇権を抑えるための総会の役割強化を訴えた共同声明を発表した。

(2)対アルジェリア関係

2日、チャベス大統領は、4回目となるアルジェリア訪問を実施し、ブーテフリカ大統領と会談した。

(3)対ニジェール関係

24日、当国を訪問したタンジャ・ニジェール大統領は、マドゥーロ外相と会談した。

(4)対南アフリカ関係

26日、チャベス大統領は、透谷を訪問したズマ南アフリカ大統領と非公式会談を行った。またベネズエラ政府は南アフリカ政府及び同国石油公社(PetroSA)と、ベネズエラにおける成熟油田開発に関する合意文書を締結した。

(5)対シエラネオネ関係

27日、当国を訪問したバングーラ・シエラネオネ外相は、マドゥーロ外相、チャコン科学技術・中工業大臣、サンス基礎産業・鉱業大臣とそれぞれ、協力枠組合意、科学技術・通信の協力立ち上げに関する協定、鉱業協力に関する協定に署名した。

(6)対モーリタニア関係

27日、当国を訪問したムクナス外相及びManaleye石油大臣は、マドゥーロ外相及びラミレス・エネルギー石油大臣とそれぞれ、両国間覚書、エネルギー協力合意、及び両国エネルギー石油省間の石油製品供給のための覚書に署名した。

(7)対ジンバブエ関係

27日、チャベス大統領は、ムガベ・ジンバブエ大統領が「まるで悪魔であるかのように扱われている」と訴え、同大統領に対し「政治的及び倫理的」支援を表明した。

(8)多国間関係

27日、ベネズエラ政府は、モーリタニア、マリ、ニジェール、シエラレオネ、南アフリカ、アンゴラ及びタンザニアと、これら7ヶ国と協同して鉄鉱石からの鉄製造等の協力を進めるための鉱業公社(Corporacion Minera ASA)創設に合意した。

 

.対国際機関関係

(1)南米諸国連合(UNASUR)外相・国防相特別会合

15日、エクアドルで開催されたUNASUR外相・国防相特別会合にカリサレス副大統領兼国防相及びマドゥーロ外相が出席し、コロンビアの米軍基地設置に関して議論された。

(2)国連総会

24日、チャベス大統領は第64回国連総会において一般討論演説を行い、ラ米での革命、社会主義、対キューバ、コロンビア関係、ホンジュラス情勢等について言及した。

(3)第2回ラ米-アフリカ首脳会合

26日及び27日、当地ヌエバ・エスパルタ州マルガリータ島において、第2回ラ米-アフリカ首脳会合が開催され、ラ米から12ヶ国、アフリカから49ヶ国の政府代表団及び国際機関の代表が出席し、(イ)カダフィ・リビア革命指導者によるNATOの南版組織の創設提案、(ロ)ルーラ伯大統領による、2016年オリンピック開催地へのリオ・デ・ジャネイロの支援要請、(ハ)在ホンジュラス伯大使館への攻撃に対する非難声明の発出、(ニ)第3回ASA首脳会合を2011年にリビアで実施、(ホ)ベネズエラがマルガリータ島にASA事務局を創設、等が議題に上がった。

 

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