1.対ラ米関係
(1)対コロンビア関係
(イ)23日、シルバ・コロンビア国防大臣が、多くの麻薬密輸機がベネズエラから飛行していると発言したことに対し、24日、外務省は抗議文を発出し、25日には、チャベス大統領が、シルバ国防大臣は同国が麻薬密輸撲滅を達成したと発言しているが、プラン・コロンビアが開始されてから同国に於ける麻薬密輸量は2倍になっていると指摘し、昨今ではコロンビア産コカインには「プレミア」が付いていると発言した。
(ロ)25日、カリサレス副大統領兼国防大臣は、11日にサッカーの試合のために当国タチラ州(コロンビアとの国境州)を訪問し、誘拐されたコロンビア人を含む10名(コロンビア人8名、ペルー人1名、ベネズエラ人1名)が遺体で発見されたと発表し、遺憾の意を表明すると共に、今次事件は国境付近のコロンビア不法グループによる闘争がベネズエラで行われたものであり、当国の問題ではないとの姿勢を示した。
(2)対エクアドル関係
7日、コレア・エクアドル大統領が当国を訪問し、チャベス大統領と会談を行い、過去に合意された34の各種文書の見直しを行うと共に、二国間協力に関する10の新合意文書へ署名した。
(3)対ブラジル関係
(イ)29日、伯上院外交委員会は、ベネズエラのメルコスール加盟議定書を承認した。
(ロ)30日、ルーラ伯大統領が当国を訪問し、チャベス大統領とともにアンソアテギ州を訪問した。同州において両大統領は、伯企業の協力によって開発している大豆農場を視察した後、首脳会談を実施し、共同声明を発出した他、合計15の協定を締結した。
(4)対ガイアナ関係
9日、マドゥーロ外務大臣は国連を訪問し、ロドリゲス・ガイアナ外務大臣と共に、潘基文国連事務総長と会談し、両国の領土係争地域問題に関して協議した。両外務大臣は、今次問題の仲介役であったオリバー・ジャックマン前国連事務総長個人代表の逝去に伴い約2年間中断されていた交渉を再開するとの意欲を表明し、ジャマイカ人エコノミスト及び大学教授である、ノーマン・ジルバン氏を後任に任命することで同意した。
(5)対コスタリカ関係
19日に「皆のための祖国」党(PPT)は、ベネズエラ当局が汚職疑惑で逮捕命令を出していたマヌイット前グアリコ州知事(PPT、08年にPSUV離反)に対し、コスタリカ政府が、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の決議に基づき難民認定を行ったと発表した。
(6)対多国間関係
16日及び17日、チャベス大統領は、ボリビア・コチャバンバ県で開催された第7回ボリーバル同盟(ALBA)首脳会合に出席し、域内統一決済システム(Sucre)の施行は、ALBA諸国をドル支配から解放し、独立した経済を確立することを可能にするため大変重要であるとの認識を示した。 |