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  ベネズエラ・マンスリー政治情報(平成21年10月)

 

     


政 治 概 況

1.内  政

(1)1日、全国189の石油関連労働組合を総括している、ベネズエラ石油産業労働者連盟(Futpv)の代表選出選挙が実施され、加盟している労働組合の中でも最も急進的なチャベス派団体から代表が選出。

(2)3日、カラカス市内に於いて、反政府派学生らを中心とした、米州人権委員会(CIDH)への国内人権及び政治犯の状況視察を求めたデモ行進実施。

(3)23日、チャベス大統領は、21日に新設した電力省の大臣にアンヘル・ロドリゲス国会議員を任命。

2.外 交

(1)7日、コレア・エクアドル大統領が当国を訪問し、チャベス大統領と会談を行い、二国間協力に関する10の合意文書へ署名。

(2)16日及び17日、チャベス大統領は、ボリビア・コチャバンバ県で開催された第7回ボリーバル同盟(ALBA)首脳会合に出席。

(3)30日、ルーラ伯大統領が、当国を訪問し、チャベス大統領と会談を行い、合計15の協定を締結。

             

内 政

1.ベネズエラ石油公社(PDVSA)関係労働組合の代表選出選挙の実施

1日、全国18州において、全国189の石油関連労働組合を総括している、ベネズエラ石油産業労働者連盟(Futpv)の代表選出選挙が実施され、加盟している労働組合の中でも最も急進的なチャベス派である社会主義労働者前衛団体(VOS)のランヘル代表が当選した。今後同代表は、1月に期限の切れた石油産業集団労働契約の交渉をPDVSAと行う予定。

                  

      

2.反政府派学生らによるデモ行進の実施

3日、カラカス市内に於いて、反政府派学生らを中心とした、米州人権委員会(CIDH)への国内人権及び政治犯の状況視察を求めたデモ行進が実施された。一方4日には、チャベス大統領が、学生らが少数の汚職及び殺人者を保護するためにハンガーストライキを行ったことは残念なことであり、自省を求めると共に目を覚ますよう呼びかけた。

 

 

 

3.電力不足に対する政府対応

(1)21日、チャベス大統領は、昨今の電力消費量増加に伴い電力不足が深刻化していることへの対応策として、電力システムの強化及び再促進を図るため、国内の電力セクターを直接管轄する電力省を創設することを発表した。また、ベネズエラ電力公社(Corpoelec)を全体的に見直し、カリサレス副大統領が率い、複数の閣僚が参加する戦略委員会を創設すると述べ、全国の知事及び市長らに対して、節電キャンペーンを行うよう強調し、全公的機関に20%の節電計画を実施するよう命じた。

(2)23日、チャベス大統領は、新設の電力省の大臣にアンヘル・ロドリゲス国会議員を任命した。同氏は国会エネルギー・鉱物委員会に所属しており、Corpoelecの代表も兼任する。

 

4.世論調査

25日及び26日付当地報道各紙は、当地調査会社Datanalisis社(比較的中立)によるチャベス大統領及び支持政党等に関する世論調査を報じた。(実施期間:9月23日〜10月8日、対象:全国1,300人、方法:各家庭への訪問調査、誤差範囲:2.72%)。

(1)チャベス大統領に対する信頼度

(イ)信頼している

(@) 貧困層 58.3%
(A) 最貧困層 50.5%

(ロ)信頼していない

(@) 富裕層 83.3%
(A) 中産階級層  65.8%

(ハ)全体

(@) 大変信頼している/信頼している 29.9%
(A) 信頼していない/全く信頼していない 56.8%
(B) わからない/無回答 13.3%

(2)チャベス大統領の施政に対する評価

(イ) 良い 46.2%
(ロ) 悪い 46.2%

(3)ベネズエラの現状は悪化していると感じている

(イ) 富裕層 80.0%
(ロ) 中産階級層 65.8%
(ハ) 貧困層 61.0%
(ニ) 最貧困層 53.8%

(4)大統領選挙が今行われた場合の投票傾向(括弧内は9月の同調査)

(イ) チャベス大統領に投票する 17.2%(31.1%)
(ロ) 態度を決めるのには尚早  51.0%(44.9%)

(5)自身をどう定義するか(括弧内は9月の同調査)

(イ) 政府派  21.5%
(ロ) 反政府派 17.4%
(ハ) 無党派 54.0%(45.1%)

(6)どの政党を支持するか(括弧内は9月の同調査)

(イ) どれも支持しない 59.6%(47.6%)
(ロ) ベネズエラ統一社会党(PSUV) 19.5%(28.2%)
(ハ) 無回答 8.8%
(ニ) 新時代党(UNT) 4.1%(5.1%)
(ホ) その他 2.8%
(ヘ) 民主行動党(AD) 2.7%(1.0%)
(ト) 正義第一党(PJ) 2.1%(2.8%)
(チ) プロジェクト・ベネズエラ(PV) 0.4%

 

 

外 交

1.対ラ米関係

(1)対コロンビア関係

(イ)23日、シルバ・コロンビア国防大臣が、多くの麻薬密輸機がベネズエラから飛行していると発言したことに対し、24日、外務省は抗議文を発出し、25日には、チャベス大統領が、シルバ国防大臣は同国が麻薬密輸撲滅を達成したと発言しているが、プラン・コロンビアが開始されてから同国に於ける麻薬密輸量は2倍になっていると指摘し、昨今ではコロンビア産コカインには「プレミア」が付いていると発言した。

(ロ)25日、カリサレス副大統領兼国防大臣は、11日にサッカーの試合のために当国タチラ州(コロンビアとの国境州)を訪問し、誘拐されたコロンビア人を含む10名(コロンビア人8名、ペルー人1名、ベネズエラ人1名)が遺体で発見されたと発表し、遺憾の意を表明すると共に、今次事件は国境付近のコロンビア不法グループによる闘争がベネズエラで行われたものであり、当国の問題ではないとの姿勢を示した。

(2)対エクアドル関係

 7日、コレア・エクアドル大統領が当国を訪問し、チャベス大統領と会談を行い、過去に合意された34の各種文書の見直しを行うと共に、二国間協力に関する10の新合意文書へ署名した。

(3)対ブラジル関係

(イ)29日、伯上院外交委員会は、ベネズエラのメルコスール加盟議定書を承認した。

(ロ)30日、ルーラ伯大統領が当国を訪問し、チャベス大統領とともにアンソアテギ州を訪問した。同州において両大統領は、伯企業の協力によって開発している大豆農場を視察した後、首脳会談を実施し、共同声明を発出した他、合計15の協定を締結した。

(4)対ガイアナ関係

 9日、マドゥーロ外務大臣は国連を訪問し、ロドリゲス・ガイアナ外務大臣と共に、潘基文国連事務総長と会談し、両国の領土係争地域問題に関して協議した。両外務大臣は、今次問題の仲介役であったオリバー・ジャックマン前国連事務総長個人代表の逝去に伴い約2年間中断されていた交渉を再開するとの意欲を表明し、ジャマイカ人エコノミスト及び大学教授である、ノーマン・ジルバン氏を後任に任命することで同意した。

(5)対コスタリカ関係

 19日に「皆のための祖国」党(PPT)は、ベネズエラ当局が汚職疑惑で逮捕命令を出していたマヌイット前グアリコ州知事(PPT、08年にPSUV離反)に対し、コスタリカ政府が、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の決議に基づき難民認定を行ったと発表した。

(6)対多国間関係

 16日及び17日、チャベス大統領は、ボリビア・コチャバンバ県で開催された第7回ボリーバル同盟(ALBA)首脳会合に出席し、域内統一決済システム(Sucre)の施行は、ALBA諸国をドル支配から解放し、独立した経済を確立することを可能にするため大変重要であるとの認識を示した。

   

       

2.対米関係

 オバマ米大統領のノーベル平和賞受賞に関し、チャベス大統領は11日付の自身のコラムに於いて、「我々はバラク・オバマ米大統領がノーベル平和賞を受賞したという、当初は見出しが間違っているのではないかと思えたニュースを知った。(中略)オバマは受賞するに値する何を行ったのだろうか。受賞するに値する功績なくしての受賞は初めてであるし、実現性から全くほど遠いことを切望している人に贈られたのも初めてのことである。」と言及した。

    

 

       

3.対中東関係

 24日、マドゥーロ外務大臣は、9月のチャベス大統領シリア訪問のフォローアップとして同国を訪問し、25日、アル・アサド大統領と会談した。また26日には、アル・ムアッリム・シリア外相との間で、両国共同基金の設立、共同出資による両国におけるオリーブオイル工場の建設、ベネズエラにおける綿栽培協力、中長期的エネルギー同盟強化、「南南フライト(ダマスカス−カラカス間)」の定期化、Telesurダマスカス支局の開設(イラク、レバノン、イスラエルへの発信含む)を含む、貿易、農業、エネルギー、通信、金融に関する5つの協定を締結した。

 

4.対中国関係

 1日、チャベス大統領は、中国建国60周年に関する胡錦涛国家主席宛の祝辞を外務省プレスリリースで発表した。

 

5.対アフリカ関係

 18日、カルロス・ゴメス・ギニアビサウ首相が、チャベス大統領の招待で当国を公式訪問し、20日、マドゥーロ外務大臣他、ロトンダロ保健・社会保護大臣、アクーニャ大学教育大臣らと会談して、7つの合意文書を締結し、21日にはチャベス大統領と会談し、合意した文書に関する二国間協力関係に関して討議した。

 

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