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  ベネズエラ・マンスリー政治情報(平成22年3月)

 

     


政 治 概 況

 

1.内  政

(1)13日、チャベス大統領は、インターネットを規制する法整備が必要と発言するも後に撤回。

(2)22〜26日にかけて、反政府派指導者、メディア関係者らが相次いで逮捕。

(3)28日、ロハス前PSUV第一副党首は、政界引退を発表し、現政権を批判。
 

2.外 交

(1)1日、チャベス大統領は、ムヒカ・ウルグアイ大統領就任式に出席。

(2)15日〜17日にかけて、ルカシェンコ・ベラルーシ大統領が当国を訪問し、チャベス大統領と会談して、22の合意取決を締結。

(3)26日、チャベス大統領はエクアドルを訪問し、13の合意文書に署名。

             

内 政

1.連立与党及び野党関係者に対する締め付け

(1)ファルコン・ララ州知事(「皆のための祖国」党〈PPT〉)への攻撃

(イ)13日、チャベス大統領は、ララ州バルキシメトに於いて、ファルコンと共に歩む者は反チャベスであるとし、自身(チャベス大統領)と共に革命に向けて活動する、新しいララ州知事を捜すよう支持者らに要請した。また、翌14日には、同知事は二度と知事職にも大統領職にも就くことはなく、政治地図から抹消されるであろうと発言した。

(ロ)15日、アルボルノスPPT書記長は、記者会見を行い、同知事を巡るPPTへの圧力に関しては、ベネズエラ統一社会党(PSUV)との国会議員選挙協力よりも同知事の擁護を優先する姿勢を示した。
ハ.16日、ファルコン知事は、大統領に自省及び自己批判が欠如していることは問題であると批判し、チャベス大統領が指摘した、自身の大統領選挙への意欲は否定した。



(2)アルバレス・パス元スリア州知事(「キリスト教社会党」〈Copei〉)の逮捕

(イ)22日、パス元スリア州知事がカラカス内の自宅でTV番組での発言が原因と見られる陰謀企図、偽情報の流布及び犯罪の煽動との理由で逮捕された。

(ロ)24日、トナー米国務省報道官は、本件は、ベネズエラ政府による表現の自由への絶え間ない攻撃の新たな例であり、米国はベネズエラ政府に対し、民主主義の基本的価値である表現の自由を尊重するよう望むと述べた。これに対し25日、マドゥーロ外相はダディ駐ベネズエラ米大使を外務省に招致し、トナー報道官の発言を内政干渉と非難した。
 


(3)スロアガ「グロボビシオン」局社主の逮捕

(イ)25日、反政府派TV局「グロボビシオン」局のスロアガ社主が、報道関係者の国際会議での発言が虚偽及び大統領を嘲弄した罪にあてはまるとして逮捕され、同日中に国外渡航禁止措置を受け保釈された。

(ロ)25日、チャベス大統領は、司法の独立性は尊重するが(本件に関する)司法の決定を賞賛すると満足の意を表明し、国内の無処罰を終わらせなければならないと強調した。

(ハ)25日、米州人権委員会(CIDH)は、政府が反政府派と見なす人物を罰し、迫害するために国家が罰則権を行使していると非難し、司法権の独立が、行政権の前に欠如している状態はベネズエラの民主主義において最も脆弱な部分であると批判した。



(4)ウイルメル・アスアヘ国会議員(社会民主主義党〈PODEMOS〉)の起訴

26日、ウィルメル・アスアヘ国会議員が、警察関係者に暴行を働いたとされ、翌27日に国会で同議員への不逮捕特権剥奪が決議されて起訴され、最高裁刑事法廷は同議員を自宅待機処分とし、定期的な裁判所への出頭を義務づけた。また27日には公判が開始され、検察は同議員の罪状について、公務員侮辱罪、女性への攻撃罪、当局不敬罪とし、裁判期間中の同議員の公職資格停止を決定した。

                  

      

2.チャベス大統領のインターネット規制発言

(1)13日、チャベス大統領は「インターネットは何をしても何を言っても自由なものではなく、法規制が必要である。」と述べた。

 

(2)15日、オルテガ検事総長は、国会が右事案を法制化することへの期待を表明し、同日、ビジャルバ国会情報通信・メディア委員会委員長は、政府及び要人を脅迫したり嘲弄したりするインターネットサイトを規制するための法制化を行う姿勢を示した。

 

(3)21日、チャベス大統領は、政府がインターネットを規制しようとしているとの報道は間違いであり、逆に政府の目的はインターネットの普及を拡大することにあると述べる一方、騒擾を起こす目的を有しているサイトに対しては、規制を設けるべきであるとの考えを強調した。

 

 

 

3.ロハス前PSUV第一副党首の政界引退

  28日、ロハス前PSUV第一副党首は、政界引退を発表し、その理由について、「革命プロセスは最悪である。大統領は私の話に耳を傾けず、1年以上大統領と話してない。ここ数ヶ月の出来事は全て、革命プロセスにとって酷いことばかりである」と述べ、現政権を批判した。

 

外 交

1.対ラ米関係

(1)対コロンビア関係

(イ)1日、チャベス大統領は、ウリベ・コロンビア大統領の連続三選を可能にする憲法改正国民投票の実施を違憲とするコロンビア憲法裁判所の判決を受けて、次期同国政府との関係再構築を望む旨発言した。

(ロ)6日、先般のリオ・グループ首脳会合で発足した両国関係を仲裁する「友好国グループ」で議長を務めるフェルナンデス・ドミニカ共和国大統領は、訪問中のコロンビアにおいて、チャベス大統領及びウリベ大統領の会談の実施は可能であるとし、8日にはサント・ドミンゴにおいてマドゥーロ外相と両国首脳会談に関する会合を行うと発表した。しかしながら、マドゥーロ外務大臣は、8日、ドミニカ共和国を訪問せずフェルナンデス大統領との会談は行われなかった。

(ハ)9日、フェルナンデス・ドミニカ共和国大統領は、故意ではないにしろ今回の仲裁措置においてベネズエラ政府に憂慮もしくは不快感を与えたことを陳謝すると発表した。



(2)対エクアドル関係

(イ)13日、マドゥーロ外務大臣は、エクアドルを訪問し、パティーニョ・エクアドル外務大臣らと共に、26日にエクアドルで予定されている第7回二国間首脳会談に向けた準備会合を行った。

(ロ)26日、チャベス大統領はエクアドルを訪問し、コレア大統領と3ヶ月ごとの定期会談を行って、13の合意文書に署名した。
 


(3)対ウルグアイ関係

 1日、チャベス大統領は、ウルグアイを訪問し、ムヒカ・ウルグアイ大統領就任式に出席し、就任式終了後、チャベス大統領は、ムヒカ大統領と二国間会談を行い、特にベネズエラは迅速なウルグアイからの食糧輸入拡大に関心を示していると述べた。
 


(4)対ホンジュラス関係

 4日〜6日にかけて、セラヤ前ホンジュラス大統領が当地を来訪し、チャベス大統領と会談した。またセラヤ氏のペトロカリブ政治理事会議長への就任が決定された。

   

       

2.対米関係

(1)クリントン米国務長官の発言

(イ)3日、ラ米外遊中のクリントン米国務長官は、ベネズエラ政府は自由を徐々に侵害しており、こうしたことは近隣諸国及び同国自身に損害を与えていると述べ、ベネズエラにおいて、表現、政治及び経済の自由が復活するプロセスが開始されることを期待していると発言した。また、米国はベネズエラに敵対する行動をとっていない旨強調し、米政府はベネズエラと良い関係を構築することを望んでいるが、現状では困難であると発言した。

(ロ)4日、チャベス大統領は、「クリントン女史は、大親友であるアモリン伯外務大臣の前で、ベネズエラで民主主義が後退しているという大嘘を言うことで、南米に不和の種をまき陰謀を巡らすために訪問しており、伯だけでなく南米諸国を不愉快にしている」と批判した。

 

(2)マドゥーロ外務大臣及びバレンズエラ米国務次官補の電話会談

 19日、マドゥーロ外務大臣は、バレンズエラ米国務次官補と初の電話会談を行った。右において同大臣は、ベネズエラ政府は、米国と様々な相異があるにせよ、ベネズエラの主権、制度及び政治プロセスに対する尊重があれば率直な対話を行う用意があると強調し、同次官補も今次レベルでの対話を維持していく姿勢を示した。

    

 

       

3.対欧州関係

(1)対スペイン関係

(イ)1日、スペイン全国区裁判所のベラスコ判事が、コロンビア革命軍(FARC)及びバスク祖国と自由(ETA)メンバー13人を殺人等の罪で起訴した際、その起訴状の中で、ベネズエラ政府による両組織への支援について指摘した件に関し、同日ベネズエラ政府は、外務省声明を発表して反論した。

(ロ)3日、チャベス大統領は、サパテロ首相は公式にベネズエラ政府に説明を求めたのではなく、ベネズエラ政府はこれまでも今後もテロリストを支援などせず、スペイン政府に説明することは何もないと述べた。更に、モラティーノス西外相と電話会談を行い、同外相は、スペインの司法権は独立しており、政府とは無関係と述べた旨発言した。

(ハ)5日、モラティーノス西外相が、ベネズエラ政府に要求したのは「説明」ではなく司法手続きのための「情報」であると発言し、これについてチャベス大統領は、スペイン政府の対応は「受け入れられる(Aceptable)」と述べた。

(ニ)6日、ベネズエラ外務省は、スペインとの共同声明の形でコミュニケを発出し、その中で、ベネズエラ政府とETAとの関連を否定した上で、両国政府は反テロを含む全ての分野で協力を拡大し、友好的かつ実りある関係を深化させる強い意志を宣言するとした。



(2)対ポルトガル関係

 19日、マドゥーロ外務大臣はポルトガルを訪問して、ソクラテス首相と会談し、両国間の友好及び協力関係の強化を強調した。



(3)対ロシア関係

 30日、チャベス大統領は、メドベージェフ露大統領に架電して、29日にモスクワで発生した地下鉄テロに対する悲しみ及び被害者に対する弔意を表明した。



(4)対ベラルーシ関係

(イ)11〜12日、カラカスにおいて、ベネズエラ・ベラルーシ・ハイレベル混合委員会が開催され、12日の閉会式にはチャベス大統領も出席した。

(ロ)15日〜17日にかけて、ルカシェンコ・ベラルーシ大統領が当国を訪問し、チャベス大統領と会談し、22の合意取決を締結した。

 

4.対 ガーナ関係

16日、ガーナよりTsikata大統領特使を団長とするハイレベル代表団が、当国を公式訪問し、18日にはマドゥーロ外務大臣と会談した。

 

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