1.連立与党及び野党関係者に対する締め付け
(1)ファルコン・ララ州知事(「皆のための祖国」党〈PPT〉)への攻撃
(イ)13日、チャベス大統領は、ララ州バルキシメトに於いて、ファルコンと共に歩む者は反チャベスであるとし、自身(チャベス大統領)と共に革命に向けて活動する、新しいララ州知事を捜すよう支持者らに要請した。また、翌14日には、同知事は二度と知事職にも大統領職にも就くことはなく、政治地図から抹消されるであろうと発言した。
(ロ)15日、アルボルノスPPT書記長は、記者会見を行い、同知事を巡るPPTへの圧力に関しては、ベネズエラ統一社会党(PSUV)との国会議員選挙協力よりも同知事の擁護を優先する姿勢を示した。
ハ.16日、ファルコン知事は、大統領に自省及び自己批判が欠如していることは問題であると批判し、チャベス大統領が指摘した、自身の大統領選挙への意欲は否定した。
(2)アルバレス・パス元スリア州知事(「キリスト教社会党」〈Copei〉)の逮捕
(イ)22日、パス元スリア州知事がカラカス内の自宅でTV番組での発言が原因と見られる陰謀企図、偽情報の流布及び犯罪の煽動との理由で逮捕された。
(ロ)24日、トナー米国務省報道官は、本件は、ベネズエラ政府による表現の自由への絶え間ない攻撃の新たな例であり、米国はベネズエラ政府に対し、民主主義の基本的価値である表現の自由を尊重するよう望むと述べた。これに対し25日、マドゥーロ外相はダディ駐ベネズエラ米大使を外務省に招致し、トナー報道官の発言を内政干渉と非難した。
(3)スロアガ「グロボビシオン」局社主の逮捕
(イ)25日、反政府派TV局「グロボビシオン」局のスロアガ社主が、報道関係者の国際会議での発言が虚偽及び大統領を嘲弄した罪にあてはまるとして逮捕され、同日中に国外渡航禁止措置を受け保釈された。
(ロ)25日、チャベス大統領は、司法の独立性は尊重するが(本件に関する)司法の決定を賞賛すると満足の意を表明し、国内の無処罰を終わらせなければならないと強調した。
(ハ)25日、米州人権委員会(CIDH)は、政府が反政府派と見なす人物を罰し、迫害するために国家が罰則権を行使していると非難し、司法権の独立が、行政権の前に欠如している状態はベネズエラの民主主義において最も脆弱な部分であると批判した。
(4)ウイルメル・アスアヘ国会議員(社会民主主義党〈PODEMOS〉)の起訴
26日、ウィルメル・アスアヘ国会議員が、警察関係者に暴行を働いたとされ、翌27日に国会で同議員への不逮捕特権剥奪が決議されて起訴され、最高裁刑事法廷は同議員を自宅待機処分とし、定期的な裁判所への出頭を義務づけた。また27日には公判が開始され、検察は同議員の罪状について、公務員侮辱罪、女性への攻撃罪、当局不敬罪とし、裁判期間中の同議員の公職資格停止を決定した。 |