1.国会議員選挙に関する動向
(1)選挙登録者数の発表
20日,オブリタス全国選挙評議会(CNE)副委員長は,7日に締め切られた国会議員選挙の選挙登録者数を1,777万6,774名と発表した。右には今次選挙では投票権がない196,718名のベネズエラ在住外国人も含まれているため,実質的に今次選挙に投票可能な人数は1,758万56名であり,そのうち5万6,906名は,海外在住のベネズエラ人であり,ラ米議会議員選挙のみの投票が可能である。
(2)PSUVの動き
ア.予備選挙の実施
2日、全87選挙区110議席において,PSUVの予備選挙が実施された。フローレス第一副党首によると,党員677万人のうち約38%にあたる254万人(有権者全体の約15%)が投票した。
イ.選挙キャンペーンの発表
19日,チャベス大統領は,選挙キャンペーン「ボリーバル200キャンペーン」の代表に,イストゥリスPSUV東部副党首を指名する旨明らかにした。また,その後行われたPSUVの会合において,今次選挙活動は,5つの戦略委員会,5名の作戦長,24の国レベル及び87の選挙区レベル活動組織,1万2,000個の大隊から組織すると発表し,無党派及び独立層に投票を呼びかけるよう求めた。
ウ.比例候補の発表
22日,チャベス大統領は,レジェス保健・社会保護大臣をララ州比例区第一候補に指名した。更に,25日,チャベス大統領は,残りの各州比例区第一候補を発表した。同候補者の中には,マリア・レオン女性・ジェンダー担当大臣(アラグア州),エリカ・ファリアス住民自治大臣(コヘーデス州),ディオスダード・カベージョ公共事業・住宅大臣(モナガス州・前ミランダ州知事),エクトル・ナバロ基礎教育大臣(ミランダ州),ビクトリア・マタ・スポーツ大臣(ボリーバル州),タニア・ディアス通信情報大臣(同候補のみカラカス首都区の比例順位第2位)の6名の現職大臣が含まれている。
(3)PPTの候補者発表
19日,PPTは,自党単独候補者約200名を発表し,アルボルノスPPT書記長は,今次候補者の60%が,政府派とも反政府派とも意見を異にする独立系であり党員ではないと述べた。今次候補者は,ウスカテギPPT書記長等,マルガリータ・ロペス・マヤ中央大学開発研究所教授(元チャベス派),レニー・マヌイット元グアリコ州知事候補(前グアリコ州知事娘),ブラディミル・ビジェーガス新聞記者等,幅広い分野から選出されている。
(4)野党に対する締め付け
ア.クーデター判決による被告らの立候補資格停止
18日,最高裁判所刑事上告法廷は,02年4月11日に発生したクーデターにおいて市民を殺傷した容疑で,昨年4月に実刑を宣告されていた元首都区警察(PM)幹部を始めとする9名の警察関係者の上告を棄却する判決を言い渡し,これにより全員の有罪判決が確定したため,野党統一候補であるヘンリー・ビバス元警視(ラ米議会候補),ラサロ・フォレロ元警視(バルガス州比例第1),イバン・シモノビス元警視(ミランダ州第2区)らの出馬が不可能となった。
イ.会計検査院による立候補資格停止措置
24日,会計検査院が,野党統一候補でありペルーに亡命中のマヌエル・ロサーレス前スリア州知事(スリア州第3区)及びラモン・マルティネス前スクレ州知事(スクレ州第6区)に対し,反汚職法に規定されている義務(知事退任後30日以内に自身の財産等を報告する義務)に反したとして,それぞれ12ヶ月及び8ヶ月の公職就任を禁じた旨発表し,同人らの国会議員選挙への出馬が事実上不可能となった。 |