ホーム 緊急情報 ベネズエラ概観 二国間関係 大使館案内 文化班案内
リンク集 お知らせ ご意見・ご要望      

 

 政治月報

 (バックナンバー)

 経済月報

 (バックナンバー)

 文化情報

 ベネズエラ略史

 プロフィール

  ・国旗・紋章

  ベネズエラ・マンスリー政治情報(平成22年10月)

 

政 治 概 況

 

1.内  政

( 1)CNE(全国選挙評議会)は,グアリコ州及びアマソナス州知事選挙,マラカイボ市を含む11市長選挙を12月5日に実施することを発表した。

(2)チャベス大統領は,新たな大統領府大臣として,フランシスコ・ホセ・アメリアッチ・オルタ元国会議長を任命した。
 

2.外 交

( 1)チャベス大統領は,13日−24日にかけ,ロシア,ベラルーシ,ウクライナ,イラン,シリア,リビア,ポルトガルの7カ国を訪問,ロシアとの間で,原子力発電所建設に係る協定に合意した。

(2)ETAへの協力容疑問題に関連し,スペイン政府は,スペインとベネズエラ両国の国籍を持ち現在当国に居住するバスク出身のクビージャス容疑者の引渡しをベネズエラ政府に対し正式に要請した。

             

内 政

1.州知事選挙に関するCNE(全国選挙評議会)発表

(1)13日,CNEは,グアリコ州及びアマソナス州知事選挙及びアチャグアス市(アプレ州),ミランダ市(カラボボ州),マラカイボ市及びミランダ市(スリア州),パンアメリカーノ市(タチラ州),ボコノ市及びミランダ市(トルヒージョ州),アリスメンディ市(ヌエバ・エスパルタ州),マヌエル・モンヘ市及びニルグア市(ヤラクイ州),カリサル市(ミランダ州)の11市長選挙を12月5日に実施する旨発表した。アマソナス州は既に現知事の任期が終了していることから,また,グアリコ州は9月11日に事故死したウィリアン・ララ前知事の後任を選出する必要があることから,各選挙を実施する。

(2)アマソナス州知事選挙に関し,野党連合MUD(民主統一会議)とPPT(皆のための祖国党)はグアルージャ現知事を野党統一候補とすることで合意したが,グアリコ州知事選挙に関しては,PPT及びCOPEI(キリスト教社会党)とその他の野党が推す候補とに2分される中,野党統一候補を擁立すべく調整している。また,マラカイボ市長選に関しては,31日,野党連合の中で予備選挙が行われ,UNT(新時代党)のエベリン・デ・ロサレス(マヌエル・ロサレス元大統領候補の配偶者)が野党統一候補として承認された。

(3)他方,与党PSUV(ベネズエラ統一社会党)は,グアリコ州知事候補としてルイス・エンリケ・ガジャルド・ロムロ・ガジェゴ大学教授を,アマソナス州知事候補としてディオ・ヘネス・エヒルド現国会議員を,マラカイボ市長候補としてディ・マルティーノ現ミラノ領事(元マラカイボ市長)をそれぞれ擁立することを決定した。

                  

   

2.閣僚の交替

 11日,イサベル・ゴドイ大臣に替わる新たな大統領府大臣として,フランシスコ・ホセ・アメリアッチ・オルタ(Francisco Jose Ameliach Orta)が任命された。軍出身のアメリアッチ新大臣は,PSUV(ベネズエラ統一社会党)の指導者であり,2000年に国会議員に選出され,2003-2005年まで国会議長を務めた。2005年に国会議員に再選され,また9月に行われた国会議員選挙でも当選していた。

 

 

 

3.国会議員の不逮捕特権に関する最高裁判所判断

(1)9月26日に行われた国会議員選挙で,汚職等の容疑のため現在司法手続に付されている野党連合(MUD)所属候補者が4名当選したことを受け,特に現在収監中の2名の選出議員の支持者,市民団体及び野党連合は,議員の特権について規定された憲法200条を根拠に2名の釈放を要求した。

(2)こうした中,ヤラクイ州裁判所は1日,収監中のピリエリ次期議員を自宅拘禁とし,また,TSJ(最高裁判所)は7日,同じく収監中のサンチェス次期議員を,内務警察諜報局(SEBIN)及び国家警備軍(GN)の監視の下に自宅拘禁とする旨の決定を下した。

(3)これに対し市民団体及び野党連合は,上記2名に対する完全な自由の保障を求めTSJに再度訴えを起こしていたが,26日,TSJ大法廷は,「国会議員特権は,議員としての宣誓を行った時点(今回のケースでは2011年1月5日)から付与される。」とするとともに,議員特権は,当選の前に既に開始されている(刑事)司法手続きを停止することまでは認めておらず,現在進行中の訴訟手続きは国会議員となった後も継続されるとの判断を下した。

 

 

外 交

1.チャベス大統領の欧州・中東等7カ国歴訪

(1)チャベス大統領は,13日−24日にかけ,ロシア,ベラルーシ,ウクライナ,イラン,シリア,リビア,ポルトガルの7カ国を訪問した。今次訪問には、マドゥーロ外相及びカナン商業大臣、ラミーレス・エネルギー・石油大臣、カーン基礎産業・工業大臣、メネンデス科学技術・中工業大臣らが同行した。

(2)14−15日に訪問したロシアにおいて,メドベージェフ大統領及びプーチン首相と会談,ロシアの協力による当国での原子力発電所設立,独に所在するベネズエラ所有の精油所の売却,原油タンカー建造を目的とする合弁会社の設立に関する合意等を含む15の協定に署名するとともに,35台のロシア製戦車及びS−300対空ミサイルの購入に合意した。

(3)チャベス大統領は,16−17日にベラルーシを訪問し,ルカシェンコ大統領との間で,2012−2013年のベラルーシへの石油供給計画に関する合意等3つの協定に署名,また,18日,ヤヌコーヴィチ・ウクライナ大統領との間で,ベネズエラ石油の欧州への輸出を同国黒海に位置するオデッサ港を通じて行うことで合意した。

(4)18−20日,イランを訪問したチャベス大統領は,アフマディネジャード大統領との間で,シリアにおける石油精製施設のイラン・ベネズエラ共同建設に関する合意,石油とガスの共同開発を目的とする合意,両国原油運搬会社の設立に関する合意等11の協定に署名した。また,20−22日に訪問したシリアにおいて,バッシャール大統領と会談,シリア南部ホムスに日量14万バレルの精製能力を有する精油所を建造する合意を含む,エネルギー,貿易,農業,教育,観光,通信分野等における6つの協力協定に合意するとともに,両大統領による共同記者会見の場で,チャベス大統領は,シリアをALBA(米州ボリーバル同盟)オブザーバー国として招待した旨発表した。更にチャベス大統領は,22−24日,リビアを訪問,カダフィ革命指導者と会談を行い,両国の共同投資基金(初期資本1億ドル)の設立、カラカス−トリポリ間の航空便の開設、その他海運、農業、石油、鉱業分野等における10の協力協定に署名を行った。

(5)チャベス大統領は,同24日,ポルトガルを訪問,ソクラテス首相と会談を行い,エネルギー協力,アスファルト船建造に関する融資契約,当国住宅建設に関する契約等を含む7つの協定に合意した。

   

       

2.ETAの活動を巡るスペインとの摩擦

( 1)スペインで逮捕されたバスク祖国と自由(ETA)メンバー2人が,2008年の7月から8月にかけてベネズエラにおいて訓練を受けたと供述したことを明らかにした。右を受け、モラティーノ・スペイン外相はベネズエラ政府に対し、本件に関し更なる情報提供を求めたが、モラガス野党国民党(PP)外交委員長は、ベネズエラの領土がテロの避難地及び聖地、ETAの訓練地となっていると指摘し、情報開示を求めるだけでなく、外交ルートを通じ強く抗議を行うべきだと主張した。

(2)これに対してベネズエラ政府は、4日、外務省コミュニケを発出し、一切許容することのできないテロ組織であるETAの活動とベネズエラの関連性を指摘する内容を否定・拒絶する一方,ベネズエラ及びスペインは幅広い協力関係にあり、ベネズエラ政府は、スペイン政府の求めに応じ、現在の枠組みの中でスペイン政府と協力を行っていく準備があるとした。また,チャベス大統領及びロドリゲス駐スペイン・ベネズエラ大使も、ベネズエラとETAとの関連性を完全否定するとともに、スペインの報道及びスペイン国会議員を批判した。

(3)他方,スペイン国籍でその後ベネズエラに入国しベネズエラ国籍を取得,当国農業・土地省で勤務していたバスク出身のアルトゥーロ・クビージャスがETAへの協力者としてクローズアップされ,スペイン国内で,ベネズエラ政府に対し同人の引き渡しを求めるべきであるとの声が高まる中,オルテガ検事総長は,ベネズエラ憲法に基づき,ベネズエラ人の他国への引き渡しは許容されないとの見解を表明した。

(4)31日,スペイン政府はベネズエラ政府に対し正式にクビージャスを容疑者としてスペインに引き渡すよう要請した。

 

3.対コロンビア関係

 7日,マドゥーロ外相はコロンビアを訪問し,オルギン外相との間で8月20日の外相会談で合意された5つの作業委員会のフォローアップ会談を行った。同会談において,マドゥーロ外相は,支払いに合意済みの2億ドルの貿易債務のうち,9800万ドルの支払いを既に完了した旨述べた。

.対 アルゼンチン関係

 27日,前アルゼンチン大統領のキルチネルUNASUR事務局長が急逝したことを受け,チャベス大統領は右葬儀に参列するためアルゼンチンを訪問した。

.対 ハイチ関係

 ハイチでコレラが流行していることを受け,26日,ベネズエラ政府は,同国に対する医薬品等の緊急物資支援及び複数名の医師を派遣することを決定した。

ベネズエラ概観のトップへ