1.チャベス大統領の欧州・中東等7カ国歴訪
(1)チャベス大統領は,13日−24日にかけ,ロシア,ベラルーシ,ウクライナ,イラン,シリア,リビア,ポルトガルの7カ国を訪問した。今次訪問には、マドゥーロ外相及びカナン商業大臣、ラミーレス・エネルギー・石油大臣、カーン基礎産業・工業大臣、メネンデス科学技術・中工業大臣らが同行した。
(2)14−15日に訪問したロシアにおいて,メドベージェフ大統領及びプーチン首相と会談,ロシアの協力による当国での原子力発電所設立,独に所在するベネズエラ所有の精油所の売却,原油タンカー建造を目的とする合弁会社の設立に関する合意等を含む15の協定に署名するとともに,35台のロシア製戦車及びS−300対空ミサイルの購入に合意した。
(3)チャベス大統領は,16−17日にベラルーシを訪問し,ルカシェンコ大統領との間で,2012−2013年のベラルーシへの石油供給計画に関する合意等3つの協定に署名,また,18日,ヤヌコーヴィチ・ウクライナ大統領との間で,ベネズエラ石油の欧州への輸出を同国黒海に位置するオデッサ港を通じて行うことで合意した。
(4)18−20日,イランを訪問したチャベス大統領は,アフマディネジャード大統領との間で,シリアにおける石油精製施設のイラン・ベネズエラ共同建設に関する合意,石油とガスの共同開発を目的とする合意,両国原油運搬会社の設立に関する合意等11の協定に署名した。また,20−22日に訪問したシリアにおいて,バッシャール大統領と会談,シリア南部ホムスに日量14万バレルの精製能力を有する精油所を建造する合意を含む,エネルギー,貿易,農業,教育,観光,通信分野等における6つの協力協定に合意するとともに,両大統領による共同記者会見の場で,チャベス大統領は,シリアをALBA(米州ボリーバル同盟)オブザーバー国として招待した旨発表した。更にチャベス大統領は,22−24日,リビアを訪問,カダフィ革命指導者と会談を行い,両国の共同投資基金(初期資本1億ドル)の設立、カラカス−トリポリ間の航空便の開設、その他海運、農業、石油、鉱業分野等における10の協力協定に署名を行った。
(5)チャベス大統領は,同24日,ポルトガルを訪問,ソクラテス首相と会談を行い,エネルギー協力,アスファルト船建造に関する融資契約,当国住宅建設に関する契約等を含む7つの協定に合意した。 |